2013年08月

日本最大の暴力団「山口組」の機関紙が復活!その真相とは・・・

 日本最大の暴力団「六代目山口組」が7月1日に創刊した機関紙『山口組新報』がメディア内で
話題だ。三代目の時代以来、ひさびさの機関紙復活。暴排条例などで活動が極端に制限される
現在の暴力団。最大組織がこのタイミングで『新報』を発刊した意味は何なのか。

 今年7月1日に創刊された『山口組新報』。日本最大の暴力団山口組が刊行した
機関紙のことである。組員以外の閲覧、複写を禁ずる銘が打たれている。
「もし『新報』が流出したら出所が分かるようにブロックごとにパターンを変えて作ってある」
(組関係者A)という話があるだけに、たとえ入手したとしても山口組に近いメディア以外は
公表に躊躇する可能性は高い。

 組関係者Aが続ける。
「『山口組新報』は三代目を崇拝する六代目が、三代目時代の『山口組時報』を模する形で
作ったと聞いています。事務所を持っている組長に1部だけ無料配布。下の組員には配布しない。
上からは組員以外には『絶対見せるな』とキツく言われている。捨てる時は焼却処分で、とも。
まあ、どのようにマスコミに流れるのか見るための実験かもしれないね」

 また別の組関係者Bは『新報』の内容について、
「『新報』の中身は、六代目の言葉、詰め将棋、つり情報、人事、行事レポートなどが
掲載されているが、お堅い内容で俺らには正直つまらない。目を通すだけで読まない組員が
多いんじゃないか。六代目のお言葉?堅くてちゃんと読んでない。忘れたよ(笑)」とそっけない。

 暴対法、暴排条例下、鉄の結束を誇ったはずの山口組も幹部クラスの逮捕収監が相次ぎ、
その勢力を減退させているとの見方があるなか、この『山口組新報』が関係者に与えた驚きとは、
地下に潜るほかないと見られていた山口組がひょっこり「表」に出てきたことである。

 今はヤクザが目立つとダメな時代のはずだ。それなのに・・・
と警察をはじめてとした多くのウォッチャーを驚かせたのである。

警視庁関係者は『新報』刊行の理由をこう分析する。
「『新報』は、山口組幹部と末端構成員が情報共有するのが目的というより、
精神的な紐帯(ちゅうたい)を取り戻そうとしたのではないか」

 また、山口組の“本拠地”である関西の大手紙新聞記者は、
「この『新報』は外部流出を固く禁じているのは確かだが、マスコミに流れることも
想定済みなのではないでしょうか。どちらにせよ、『山口組、ここにあり』を示せたことは、
目的にかなったといえるかもしれない」と、『新報』発刊の意味を評価する。

■「一人組長」が増加している
 では、山口組の内情はどうなっているのか。前出組関係者Aが語る。
「会費の金額、システムは変わっていないが、会費を何年も滞納している組員は多数存在する。
会費より、所得で納付額の高低がある税金・年金のほうがましだとボヤいている組長もいる。
会費の制度自体を変えてほしいのが中堅クラスの組員の本音ではないか」

 また現在のシノギに関して、組員Cは、
「シノギの最新トレンドは詐欺。太陽光発電やFXあたりが熱いな。正業を持つヤクザが
とにかく増えた。飲み屋、キャバクラ、飲食系が多い。またそれとは別に、もともと飲食、
水商売系の仕事をやっていた堅気のなかには、ケツ持ち代を払いたくなくて組員になる輩もいる。
シャブ(覚せい剤)はもちろん今でもダメ。捕まって新聞に載ったら即アウト(破門)。
ネットの掲示板やSNSならばセーフ、というわけのわからんルールもある」

 と語るが、この組員Cは暴排条例以降、格段にシノギがやりにくくなったとぼやき、
「暴排条例の目的はズバリ、シノギの枯渇とヤクザの一般社会からの隔絶」と言い切った。
その影響は最大組織の山口組といえども確実にあるようだ。一時期3万人を超えたと
いわれている組員も、櫛(くし)の歯が抜けるような状態だという。

 「組員はどんどん辞めている。警察に駆け込んで暴排条例の中止命令を出してもらえば
無難に辞められる。そんな奴も実際にいる。なので、辞めるのに指をつめたり金払ったり
することはもうない。それと並行して、一人組長がどんどん増えている。事務所も若い衆もなし。
影でバカにされているが金があれば出世する。そんななか、山健(組)だけは一人組長を認めず、
事務所と一定数の若衆が組長の条件と聞く。金がすべてではない厳しさに、他の組は尊敬の
眼差しを向けている」(組員C)

 別の組関係者Dはこう強調する。
「今の若者はヤクザになりたがらない。それどころか『ヤクザはなるものじゃなくて使うもの』
という認識。関東連合と同じ感覚の奴が増えている。そうなって仕方ないかもしれないな。
今いる若い衆も、上にとことん利用されて搾(しぼ)り取られて、『いいことなんて何もない、
ヤクザ辞めたい』となってしまっているからね」

 警察関係者によれば、
「山口組の正規の組員は1万人を切っているのではないか。もちろん準構成員や
密接交際者を含めればまだまだ巨大な組織であることに違いはないが」という。
正規の組員が減少傾向にあるのは、間違いなさそうだ。

 山口組関係者のなかには、組内での役職が上がること、昇進を断る組員がいるという。
「警察の手前、目立つことが嫌で、また組内でやっかまれると、タレコミなどで『刺される』のを
恐れている」(前出・組関係者A)のだという。

 まさに内憂外患を抱えた巨大組織山口組。しかし見方を変えれば「こんな時代にあって、
今なお存在することの不可思議さ」もあるだろう。

30年以上、暴力団対策の現場を歩いてきたあるベテラン捜査員は言う。
「末端はともかく、上の人間がいったい何で稼いでいるのか、よく分かっていないことが
たくさんある。なんであんな豪勢な家と車を持ち、愛人までいるのか・・・」

 『山口組新報』の内容からは決して見えてこない山口組の全貌。果たしてこの巨大組織は、
どこへ向かおうとしているのか。

山口組
<六代目山口組、司忍組長。『新報』の「巻頭の辞」では、「混沌とした
厳しい時代だからこそ、そこに可能性がある」と述べている。
その真意は?>

ウナギと暴力団!白いダイヤモンドを巡る暗闇・・・!!

日本の食文化を代表する「うなぎ」に最大の危機が迫っている。急激な価格高騰に
目を付けた暴力団が入り込んだ業界の憂鬱をレポートする。

■掲示板に見られる「稚魚売買」情報
 ウナギをめぐる近年の状況を整理してみる。水産庁や日本養鰻漁業協同組合連合会によると、
国内のウナギの供給量(国内養殖と輸入の合計)は2000年の16万トンをピークに減少が続き、
2010年は約7万4000トン、2011年は約5万6000トンに落ち込んだ。背景にはシラスウナギ
(ウナギの稚魚)の世界的不漁がある。

 ニホンウナギは太平洋のマリアナ海溝付近で産卵し、稚魚が海流に乗って台湾や中国、
日本などに向かい河口から河川を遡上するとされる。免許を持つ漁業者や養鰻業者は
毎年12月から4月にかけ、地域で決められた漁期の間、夜間に光に集まるシラスウナギを
すくって捕獲する。

 ここ数年、稚魚は隔年で不漁の年があったものの、通常20万トン以上の漁獲量があった。
しかし2009年に約24万トンあった漁獲量が翌年から激減し、今年にいたるまで4年間、
数万トンしか取れなくなった。原因についてはさまざまな指摘があるが、はっきりとしたことは
分かっていないというのが実情だ。

 危機感を強めた環境省は、今年2月、天然のニホンウナギを「絶滅危惧種」に指定。
資源回復に乗り出しているが、その効果のほどは定かではない。前出の漁連幹部は、
シラスウナギ激減の理由について「密漁の影響は大きいはずだ」と断言する。

 「これまで“ヤミ採り”(密漁)が野放しになってきたのは、取締りが難しいこともあるが、
ひとつ言えるのはシラスウナギがコツさえつかめば素人でも取れてしまう、比較的簡単な漁
であることが大きい。正規の漁業者も現場で密漁団とは遭遇したくないので少し川の上流へ行く。
しかし河口付近でヤミ採りをされると、上ではほとんど取れないですよ」

 確かにマグロの密漁は素人にできないが、ウナギの場合はそれが可能だ。それでも
数年前までは密漁するようなメリットはなかったが、ここまで値段が高騰したことで、
暴力団の資金源として成立する仕事になってしまったということか。

 「水産マフィアの密漁ターゲットは中国向けの乾物用ナマコ、アワビ、それからこの
シラスウナギなどで、いずれも素人でも取れるものばかり。実際に見たこともない業者が
一部のインターネット掲示板を利用して、稚魚を養鰻業者に高値でさばいている。
正規価格の3倍であっても、仲買人はシラスを買う。なぜならモノが確保できないいま、
養殖業者はその値段でも必ず買うから。居酒屋であれば品切れのメニューがあっても
怒られないが、日本の鰻屋の多くは専門店だから『ありません』じゃ済まされない。
結局、いちばんシワ寄せがくるのはルールを守ってシラスを取る業者と鰻屋ですよ」(同)

 カネの集まるところに群がるのは暴力団の基本的習性だが、彼らが単に川でシラスを
取っているだけと思ったら大間違いだ。当局が注目しているのは、ウナギをめぐるもっと
大がかりな「国際シンジケート」の存在、そしていわゆる「産地偽装ビジネス」である。

■ウナギシンジケート まとめる暴力団組織
 さかのぼること4年前の2009年春。日本の税関各所で、ウナギの稚魚を台湾や中国に向け
「密輸出」しようとする台湾人、中国人が摘発されるという事件が相次いだ。彼らは日本の
シラスウナギをどうして台湾や中国に持ち帰ろうとしたのか。事情を知る業界関係者が解説する。

 「2009年はシラスウナギが最後に豊漁だった年で、取引価格もまだ1キロ当たり30万円台
でした。日本の暴力団が中国、台湾の業者と手を組み、養殖費用の安い台湾、中国へ稚魚を
持ち込み、1年から1年半で成魚になったウナギを日本に売りつけることで利ざやを稼ごうとした
のです。この稚魚の密輸出はかなり前から横行しており、たとえ見つかったとしても通告処分で
数万円の罰金で済むノーリスクのビジネス。業者の台湾人たちはあらかじめ罰金を用意し、
摘発されても何度も密輸出を繰り返していたのです」

 ところが翌年から日本でシラスウナギが取れなくなると、今度は逆の「密輸入ビジネス」が横行。
「いまいちばんホットなエリアがインドネシアです。インドネシアはニホンウナギに味が近く、
稚魚の価格が格段に安いビカーラ種がいまでも割合多く取れる。地元民が河口で取った
稚魚を、観光ビザで入った台湾人、中国人が大量に買いつけ、香港を経由して中国や日本に
密輸しているのです。この流通をコントロールしているのが日本の暴力団です。インドネシアの
税関はもともと緩い上に、密輸が見つかっても没収されるだけで罰則がない。バリ空港には現在、
月に1トンもの稚魚が持ち込まれているといわれています」

 もともと韓国と日本の水産業者が多用する関釜フェリーでは、タコやフグを積んだ
活魚専門車が頻繁に行き来している。
「こうした業者たちが、シラスウナギを紛れ込ませたところで、まったく警戒もされない。
実態はまさにウナギのごとく、つかみどころがないのです」

 こうした動きを踏まえ、日本政府も今年6月、「種の保存法」改正案を可決。
絶滅の恐れがある野生生物の違法な捕獲や販売を行った個人、企業への罰金を
それぞれ500万円以下、1億円以下と大幅に引き上げた。しかし、違法薬物と違って
その密輸リスクはまだまだ低く、抑止効果になっているかは分からない。

ウナギ
<年々厳しくなる税関の「ウナギ監視」>

『あまちゃん』&『半沢直樹』大ヒットの裏にある意外な共通点

 ネコも杓子も『あまちゃん』『半沢直樹』と喧(やかま)しい。もう異常である。
どうしてこれほど人気があるのか。全テレビドラマをチェックする気鋭の
テレビドラマ評論家、吉田潮氏がヒットの秘密を分析する。

 テレビドラマ界に激震が起きたのは一昨年。日テレ『家政婦のミタ』が最終回で
視聴率40%超えの大成功を収めたからだ。通常、ドラマの視聴率は13%超えれば御の字、
20%超えれば大ヒットと称される。ドラマ黄金期の昭和の時代とは異なり、各局が
苦戦しているのが現実。そんな平成の時代に、40%超えなんて異例中の異例だったワケだ。

 個人的には視聴率なんか正直どうでもいい。自分が面白いと思う作品が多ければ多いほど
うれしい。好きな俳優が登場するだけで観続けるし、原稿を書ける。でも今回はなんだか
周囲の温度が違うので戸惑っている。

 NHK朝ドラの『あまちゃん』やTBS『半沢直樹』への熱のこもりようがハンパなく、週刊誌の
コメント取材なども執拗に入ってくる。物語の顛末を勝手に予想したり、ヒットの理由を考えたりと、
あの手この手で人気にあやかろうとする輩が多い。はい、この原稿もそれそのものです。
つうことで、ちょいと斜に構えつつ、この二作品のヒットの法則を考えてみた。

■サルでも飛びつく必殺のワンフレーズ
 サルでもわかることだが、流行語大賞になりそうな決めゼリフや決まり文句があれば強い。
『あまちゃん』は「じぇじぇじぇ」、『半沢直樹』は「やられたら倍返しだ!」。キャッチーな
ワンフレーズに日本国民はどうも弱い。選挙時の投票行動と同じだ。内容がさっぱり
わからんまま「アベノミクス」のワンフレーズにすっかりダマされちゃう。とにかく単純だ。
『家政婦のミタ』でも「承知しました」ってセリフがあったっけ。

■嘘くささがないリアルな家族像
 3・11以降、テレビ局は自粛に自粛を重ね、ドラマもなんだか貧乏くさく、お涙頂戴モノが
多かったような気もする。やたらと家族愛を強調したり、お仕着せがましい清貧モノが続いた。
そんな嘘くささに飽き飽きしていた人が『あまちゃん』のリアル家族像に共感したのではなかろうか。

 今までの朝ドラはヒロインが耐えに耐え、愚痴ひとつこぼさず、父権社会の犠牲者と
なってきた。家族は絆であると同時に、女性の自由と意志を奪う足枷となる物語が定番だ。
ところが『あまちゃん』では歴代の朝ドラには決して描かれなかった家族形態がてんこもり。
主人公アキ(能年玲奈)の母・春子(小泉今日子)は、のっけから夫(尾美としのり)に
罵詈雑言を吐きちらし、足蹴にするわ、離婚するわで大暴れだった。

 また、アキの祖母(宮本信子)と船乗りの祖父(蟹江敬三)は1年で10日程度しか
共に過ごさない、ほぼ別居婚状態の夫婦だ。おまけに漁協組合長と海女の夫婦
(でんでん&木野花)は離婚しているが未だに同居。戸籍上の家族や夫婦が一緒に
暮らすことを前提としていないところが新しい。

 結果的に登場する人々は、嘘くさい家族愛や面倒くさい血縁関係に縛られてないため、
自由闊達で説教くささがない。これが脚本・宮藤官九郎の独特な魅力のひとつだし、
幅広い視聴者層の獲得につながったと思う。

 一方『半沢直樹』は銀行を舞台にした企業モノだが、理不尽かつ悪徳な上司と闘う
銀行マンの復讐劇である。震災以降NOと言えない&言わない、空気を読むことばかり
求められてきた人たちは、主人公・半沢(堺雅人)のセリフに胸がすいているのかもしれない。

 金と権力に群がる上司に真っ向から挑む姿は、潔白すぎて少々鼻白む部分もある。
それでも胸に秘めた暗黒面(父を死に追いやった銀行上層部への復讐)と、それなりの
上昇志向も併せ持つ半沢は結構人間くさい。

 嫁(上戸彩)の尻に敷かれているところもリアルである。嫁が作る雑穀米&野菜中心の
献立を見る限り、彼は揚げ物や肉を食べさせてもらえないのかと不憫に思う。でもコレが現実。


■脇を固める俳優陣が絶妙かつ適材適所
 ヒットドラマは主役が脚光を浴びることが多いが、実はあまり重要じゃなかったりする。
いや、もちろんそれなりのインパクトや演技力、雰囲気は絶対に必要だ。能年の素朴さは
類まれなる透明感があるし、堺もあの年代では群を抜いて力量のある俳優だ。
ただし、ヒット作の秘訣は脇役陣の固め方だと思う。

 『あまちゃん』では、喫茶兼スナック梨明日(リアス)に集まる面々だ。直球すぎて暑苦しい
杉本哲太、マザコン独身男感たっぷりの荒川良々、虐げらている琥珀堀りの塩見三省、
事なかれ主義の吹越満、アドリブ感満載の皆川猿時、発言がいちいちアウトサイダーな
伊勢志摩、自虐が面倒くさい片桐はいりなど。もうね、挙げたらキリがない。

 これだけ登場人物が多いのに、それぞれの個性が強烈でキャラが立っているのは珍しい。
濃厚なのにユルい仕様の脇役陣は、視聴者をマニアに変える力がある。『半沢直樹』は
わかりやすいキャスティングが功を奏している。ほうれい線の深さと眉の薄さで悪玉感を
醸し出す香川照之、精神的に追い込まれ左遷された滝藤賢一、謎のオネエキャラが異色の
片岡愛之助、小物感が強烈な石丸幹二など、手練(てだれ)の役者を投入。善人と悪人が
明確で、それぞれの存在感も大きく、印象深い。

 と思えば、芝居がクサくても、独特の雰囲気でキャラ設定を成功させた脇役も多い。
堺の敵か味方かまだ不明な及川光博、見た目が極悪チンピラの宇梶剛士、愛人以外の
何物でもない壇蜜、大阪のオッサンそのまんまの赤井英和など。演技力ではなく完全に
雰囲気勝ち。適材適所ってこういうことかと感心したもの。

 芝居ができない俺様中年アイドルや、集団でなければ集客できない口パクアイドル、
事務所のゴリ押し女優が主演のドラマなんて、テレビ局の魂胆が透けて見えるだけ。
視聴者はそこまでバカではない。新鮮で面白い脚本と設定、実力のある役者陣が揃わないと、
大ヒットは到底無理だと思う。

文・イラスト/吉田潮

ドラマ
<脇を固める俳優人>

山口組6代目、田代まさし他・・・、元受刑者に聞いた「府中刑務所」の獄中生活

 新井昭雄さん(55)は今年夏に懲役5年の刑を終え、府中刑務所を出所したばかりの
元・受刑者である。あの6代目山口組も服役していた日本最大の刑務所の最新「内部事情」
を聞こう。

■看守が覚醒剤で逮捕その不祥事の構造
 今年3月に府中刑務所の若い看守が受刑者に覚醒剤を渡して逮捕されましたね。
どうしてこういうことが起きるのか。府中は再犯刑務所で、海千山千の懲役が集まる
ところですから。気の弱い若い看守は、篭絡されてすぐに弱みを握られてしまうんですよ。

 はじめは食事の量が少ないとかそういうことから便宜供与を要求し、一度でもそれに
応じれば「上司にバラす」「これが最後のお願いだ」と言って便宜供与をエスカレートさせる。
この看守は大阪まで行って覚醒剤を買ってきたそうですが、どこで売ってるかまで懲役に
指示されたんでしょう。かわいそうに。

 事件がめくれたあと、すぐに全国の刑務所で懲役だけでなく刑務官まで、所持品の
一斉捜検が行なわれたんです。いい迷惑ですわな。日本の公務員の不祥事・処分件数で
ダントツに多いのが法務省。これは刑務官が原因です。

■山口組6代目の呼称番号は「5100」
 府中刑務所の受刑者数は年々増えてまして、本来3200人が定員のところ、入りきらない
ものだから独居房を2人で使っている。今後も増え続けるでしょう。

 2年前に出所した山口組6代目の司忍(篠田建市)組長ね。あの人の呼称番号がちょうど
「5100」でした。後藤組みたいだな、なんて言われてました。4000番台は外国人専門
なんだけれども、これだけでも受刑者数がいかに多いか分かるでしょう。

 6代目は舎房2階一番奥の独居で、特別な扱いを受けてましたね。面会のときも担当の
オヤジだけでなく、部長クラスの幹部が必ずつきそってましたから。廊下で他の懲役と
すれ違うときには、懲役に右を向かせ停止させる。6代目とは目を合わせることすら
禁じられましたよ。

 もちろん、侍工場(暴力団員だけが配属される工場)なんかに6代目をおろしたら
大変なことになりますから、工場には入れさせませんでした。というわけで、要養護の高齢者が
働く軽作業の現場に配属されていたのですが、なかには6代目のことを知らない爺さんもいて
「あんたどっから来たの」なんて普通に話しかける人もいたようですよ。6代目は大人なので、
もの静かに対応していたようですけどね。

 まあ6代目と言ってもテレビに出るような人ではないので、知らなくても不思議じゃないけれども、
あの田代まさしが雑居房で本人と気付かれなかったときには、さすがに哀れだなと思いましたよ。

 彼が何度目かの逮捕で判決が出た後は、ときどき週刊誌なんかの記事に取り上げられて
いたんですけどね。普通、特定の受刑者に関する記事が新聞や雑誌に掲載されると、当該の
刑務所では黒塗りになって閲覧禁止になるんですが、田代の場合はなぜかノーチェックで。
本人がいるのに記事が全部読めましたからね。ある意味官にもスルーされてました。

 ただ、彼は人を楽しませることが好きないい奴ですよ。島田紳助のほうがよっぽどワル。
早く出所して社会復帰して欲しいですね。

山口組
<独居に閉じ込められていた山口組の司忍組長>

早朝割引に行列!?“団塊世代”の風俗事情!

 週刊誌の新聞や中吊りの広告を見ていると、「熟年向けセックス特集」が、手を変え品を買え、
毎号のように組まれている。週刊現代(講談社)と週刊ポスト(小学館)が競い合っているかの
ようなのだ。いったいその裏にどんな事情があるのか、探ってみた。

■風俗街の早朝割引に行列!
 欲望の尽き果てることのない団塊世代。最近、風俗街でもリタイアした高齢者たちが
早朝割引目当てで列を作っているという光景が見られるという。都内のデリバリーヘルスに
勤めるA子さん(27歳)はこう話す。

 「うちの店にも70代の男性で毎日来ている人がいますよ。来るのは決まって昼間。
毎日違う女の子を指名しているから飽きないみたい。たぶん、在籍している子全員と
プレイしたんじゃないかな」

 また別の店に勤務するBさん(32歳)も、最近は客の年齢層が上がってきていると話す。
「ちょっと前は営業の途中とか、昼間でも若い人が多かったんですけど、今はオヤジばっかり。
でも、60歳以上の人ってお金持ってるからプレイも120分とか長めの時間を指定してくれるんですよ。
若い人はとりあえず抜けばいいって感じだからプレイ時間は短いし、こっちも慌ただしいけど、
オジサンたちはお話したりするからゆっくりでこっちも楽ですよ」

 Bさんは風俗経験5年目だが、印象的な70代の男性がいたと言う。
「うちで取れる最大の7時間コースを取ってくれて、何をするのかと思ったら、近所の
アダルトショップにおもちゃを一緒に買いに行って、ホテルに着いたら、自分で買ってきた
下着に着替えさせられました。そしてずーっとお話をしながらお酒タイム。向こうはほとんど
飲みませんが、私にはガンガン進めてくるんです。お酒を飲めばトイレに行きたくなるでしょ。
でもね、そのオジサン、おしっこを漏らすところ見るのが目的らしくてトイレに行かせてくれない。
我慢して我慢して漏らすでしょ。『我慢してる時の苦しそうな顔と、漏らした時の
恥ずかしそうな顔がたまらん』って満足そうに帰っていきましたよ(笑)」

■「相手を喜ばせたい」
 『週刊現代』のセックス特集でも識者として登場し、風俗店での勤務経験もあるラブセラピストの
naomiさんも「お金を墓場には持っていけないって感じた時、団塊世代がすることは
『女の子にお金を使う』ことなんじゃないでしょうか」と話す。

 「自分が気持ちよくなるよりも、相手を喜ばせたいと思う気持ちが強いから、女の子の気持ちを
優先してくれる。20〜30代は『金払ってるんだから当然だろ』という感じだからプレイ中も
まぐろがほとんどですが、団塊世代は「女の子」として大事に扱ってくれる。風俗にも疑似恋愛を
求めているし、イカせてぐったりしているのを見るのが快感という。だからあの手この手で
女性が快楽に溺れているところを見ようとするんですよ。ハタから見れば欲望丸出しなのかも
しれませんが、女性は守るべき存在だっていう考えが根底にあるから、基本的に優しいんですよね」

 ただし一方で、団塊世代がネット詐欺などにカモにされる例も増えているという。
「『出会い系サイトで騙された』『婚活パーティで詐欺にあった』という電話も編集部によく
かかってくるようです。出会いのために突っ走った結果、ネット詐欺のようなものに免疫がなく、
怪しいものを見抜けないオーバー60が悪質業者にカモにされているのかもしれません」
(前出ライター)

 昨年、婚活サイトで知り合った3人が不審死を遂げた事件も世間の話題をさらったが、
こうならないためにも指南書は必要だとnaomiさんは分析する。

 「これまで老人はセックスしちゃいけないんじゃないかという考えがあって、自分自身の欲望を
必死に抑えていたと思うんです。でもそうじゃないってわかってきた今、詐欺などに遭わないため
にもこうしたお手本になるものは必要不可欠になってくるのではないでしょうか。セックスって
やっぱり男の自信だと思いますから、正しい知識で生涯性を楽しんでもらいたいですね」

取材・文/大朋理人 イラスト/YAGI
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