2013年06月

ヴィレッジヴァンガードが「遊べる不動産屋」オープン!「変わった物件」専門サイト

 えーっ、ヴィレヴァンが不動産屋を?
若者の人気を集める「遊べる本屋」ヴィレッジヴァンガードが「遊べる不動産屋」をコンセプトに、
物件情報サイト「ヴィレッジ不動産」(vvre a l e s t a t e .com)を5月7日にオープンした。
「インターネットで僕らが本当に住みたい部屋を探せるようにする」を謳い文句に、変わった物件、
面白い物件などの情報に特化している。

 首都圏エリアのパートナーは、デザイナーズ物件やリノベーション物件などおしゃれな物件
ばかりを紹介する不動産サイト「R-STORE」(www.r-store.jp) を運営する(株)アールストアと提携。
R-STOREが探した物件を、さらにヴィレッジヴァンガードのスタッフが厳選して掲載する。

 運営するのは(株)ヴィレッジヴァンガードコーポレーションのインターネット事業部門の
子会社(株)illage Vanguard Webbed。現時点ではまだ東京エリアおよび名古屋エリアなど
限られた地域の情報しかないが、徐々に充実させて、ゆくゆくは全国でサービスを展開して
いきたいとしている。

 紹介されている物件は、部屋の真ん中にブルーの箱があり、その中にベッドを置ける(板橋)とか、
茶室がある(名古屋)、壁沿いに猫専用の階段がある(世田谷)、床がすべて剥(は)がされていて
改装しないと住めない(杉並)、300平米を超える倉庫(横浜)・・・など、いずれ劣らぬ個性派揃い。
記事も取材したスタッフの私見をまじえた体温の感じられる文章が楽しい。

 リノベーションが流行し、若者の間でシェアハウスが定着するなど、多様化する「住」の
ニーズに応えた、不動産のニッチビジネス。変な物件に目がない人はマジョリティではないが
いつの世も確実にいる。かく言う記者もそのひとり。いつか利用してみたいものだ。

(文/高岡洋詞)

ヴィレッジヴァン
<トップには「ちょっと変わった賃貸物件を探せます」とある>

抗がん剤治療は確率の悪いギャンブルと同じ・・・!!効果有効例は160人中たったの6人

 5000人以上のがん治療をし、ホスピス医として2500人以上の末期がん患者を診てきた
ホスピス医、小野寺時夫(おのでら・ときお)氏にお話を伺いました。

 ホスピスで心を痛めることのひとつは、抗がん剤治療を受けすぎてズタズタになってくる人が
非常に多いことです。高度進行がんに対して諦めずに種々の抗がん剤治療を受けたが効果が
なく、ひどく衰弱進行してくるため、ホスピス入院後間もなく死亡する人が少なくないのです。

 抗がん剤は、どんながんにもやらないよりは多少でも効果があると思っている人が多い感を
受けますが、それは大きな誤りです。抗がん剤が効くのは、急性白血病、悪性リンパ腫、
睾丸のがん、胎盤の絨毛上(じゅうもうじょう)皮ひがん、小児がんで、これらのがんには
7割くらいの人に有効で、5年生存率も6割を超えます。

 問題なのはそれ以外のがんで、乳がんや卵巣がんでは有効例が比較的多いのですが、
それ以外のがんで本当に延命効果があるのは、おそらく10人に1人以下ではないでしょうか。
近年、分子標的薬が開発され、副作用が少なく効果が一段と上がっていると医師が話し、
マスコミも報道しますが、副作用がかなり強く重大なものもあり、効果は従来の抗がん剤に
比較すれば多少効く頻度が高いのが真実でしょう。

 抗がん剤治療は効かなければ苦しみながら人生の大切な時間を失い、命を縮める危険も
あるので、患者は効く率や副作用をよく理解した上で、受けるか受けないか、効かなければ
すぐに中止する決断をしなければならないのです。

■大学病院医師の信じられない言葉
 肺がんの手術から2年後に再発した男性のKさん(当時71歳)は、大学病院大学病院医師の
信じられない言葉で抗がん剤治療を勧められ、抗がん剤の組み合わせと投与法の異なる
5種類のなかから、好きなものを選ぶよう言われたそうです。

 どれがおすすめなのかを医師に聞くと、
「治療してみないとわからないから、5通りの方法を比較しているのです」
と言われ、Kさんはあまりしつこく聞いてはいけないと思い、3番目の方法を選んだのです。

 2カ月近く入院治療を受けたそうですが、副作用で食欲がなくなり、身の置き所のない
不快感に悩まされました。効いているかどうかを医師に尋ねたところ、
「残念ながら効いていないようなので、残り4つのなかから選んだものに変更します」
と言われそうです。

 Kさんは呼吸苦も胸痛も強くなってきたので、すぐには決心がつかず考えて後で返事をする、
と答えました。ところが、若い医師に
「大学病院は研究機関でもあることを承知でかかっているのでしょう。もし治療を受けないのなら、
すぐ退院してほかの病院に行くように」と言われ、やむを得ず1番目の方法を選んだのです。

 新しい献立の治療は、週1回の注射に通うものでしたが、二月目に入るとまったく食欲が
なくなって味もわからなくなり、だるさが増して手がしびれ、著しく減少した白血球や血小板が
回復しなくなったのです。その時点で医師からホスピスを勧めれれ、私のところに入院して
きたのです。

 Kさんの肺がんは抗がん剤の効きにくい「腺(せん)がん」でした。脊椎や肋骨に転移が
多数ある上、腹膜転移もあり、抗がん剤治療の適応は考えられない状態でした。
本人も家族も、大学病院が抗がん剤治療を強く勧めたのは、研究のためだと不信感を
持っていましたが、私もそれは否定できないと思います。

 5つの抗がん剤治療法の特徴や効く率の説明もせず、どれかを選べというのは患者の
人権を無視しています。大学の権威を笠に患者を脅迫するなどは、許しがたいことで、
日本がいまだ文化国家とは言い難い一端ではないでしょうか。

■抗がん剤は命を賭けたギャンブル
 抗がん剤はどれくらいの率で効くのか−これが最も大きな問題ですが、医師もマスコミも
よく効いた稀な例を挙げて、あたかも誰にでも効くような印象を与える傾向が強いのですが、
延命効果のある例があることは事実ですが、非常に少ないのが真実です。殊に日本の医師は、
信頼できる臨床データがなく、勘で話している場合が多いのです。

 私も若い時代の一時期は、積極的に抗がん剤治療を試みた時期がありました。しかし、
乳がんの骨移転や大腸がんの肝臓転移に著効して延命効果があった例がありましたが、
30人くらいに1人の割合で、そのほかのがんの著効例はなく、私は次第に抗がん剤治療に
期待しなくなったのです。

 最近、ホスピス入院患者で抗がん剤治療を受けた300人のなかで、診療情報提供書
(医師からの紹介状)に抗がん剤効果の有無が書いてある160人について有効率を
調べてみました。160人中、有効とあったのは6例だけでした。この6例のなかでも、乳がんの
ひどい皮膚転移、肺の小細胞がん、卵巣がんの3人は治療で延命したと思われましたが、
ほかの3人は一時的に有効とあっただけ。また、160人中、抗がん剤の種類を2度、3度と
変えて治療した人が約80例ありましたが、抗がん剤を変えたら効いたという例は一例も
なかったのです。

 抗がん剤は使ってみなければ効くかどうかわからず、がんが少し小さくなったり、腫瘍マーカーが
一時的に少し下がったりしても延命効果まではないことが多いのです。本当に延命効果の
ある率は、とくに乳がんや卵巣がん以外では非常に低く、肝臓がんや胆道がんの有効例を
私は一例も経験していません。同じ臓器のがんでも、がん細胞の性質は個人個人みな異なり、
抗がん剤や放射線がAさんに効いたからBさんにも効く、ということはなく、Bさんに効かない率の
ほうがはるかに高いのです。

 言い換えると、抗がん剤治療は命を賭けた当たる確率の悪いギャンブルなのです。ですから、
がん治療専門医やその家族ががんの場合、抗がん剤治療を受けない例が多いのです。
高名ながんセンター総長が肺がんになった時、何の治療も受けず、モルヒネを使いながら
最後まで自宅で過ごしたというのは、医療界では有名な話です。

小野寺さん
<ホスピス医:小野寺時夫(おのでら・ときお)>

逆風と戦う!日本が誇る発明品「アドバルーン」という仕事

 大売り出しのデパート屋上にのどかに浮かぶアドバルーンは、昭和の経済成長の
シンボルだった。ただ、それが日本人の発明品だと知る人は意外に少ないのではないか。

■高層ビル増加の一途で減りゆく気球広告
 気球自体は18 世紀末に考案されたが、1921年(大正10年)、その小型のものに文字の
入った幟(のぼり)を下げて浮かせることを考案したのは、広告代理業を営む水野勝蔵という
日本人であった。またたくうちに脚光を浴びたアドバルーンだが、その効力を全国に知らしめる
のは36年(昭和11年)2月の陸軍クーデター、いわゆる二・二六事件で反乱兵の帰隊を促す
「勅命下る 軍旗に手向ふな」の文字幕をなびかせた時だった。当時の写真が歴史教科書に
採用されているから、見覚えのある読者も多かろう。

 それから幾星霜(いくせいそう)、日本中の、否、世界中の記念イベントで浮揚され続けた
アドバルーン。ところが最近、見かけることが少なくなったと思いませんか?
「たしかにアドバルーン業界は縮小しています。高度成長時代が最盛期で、東京には約40社
ありました。今は10社くらいじゃないでしょうか」

 説明するのは銀星アド社代表取締役・水野孝則さん。発明者・勝蔵氏の孫で、歴史ある
元祖アドバルーン会社を継ぐ三代目社長だ。

 「都心は高層建築が多く見えづらいため、現在はほとんど揚げていません。デパートは
屋上遊園地など広いスペースがなくなって、気球が揚げられなくなりました。ただ郊外では
まだまだ需要があり、スーパーやパチンコ店の開店、住宅展示場や学園祭などで仕事を
させていただいてます」

アドバルーン
<昭和の経済成長のシンボルだった気球広告>





■アドバルーン業界が抱える最大の難題とは?
 景気低迷による広告経費削減や、バルーンに充填するヘリウムガスの価格高騰も
痛手だった。しかしアドバルーン業界最大の問題は別のところにある。

 「後継者不足なんですよ。アドバルーンは事故防止のため安全に操作できる人間が
現場に常駐するよう条例で決められています。気球の浮揚や係留は熟練のいる作業なので、
アルバイトの初心者にはまかせられない。現場には私自身が出向いて、朝から夕方まで
監視してます。真夏なんか重労働ですよ」(水野社長)

 バルーンと文字幕の製作、そして掲揚だけで終わるわけではない。強い雨が降ったら降ろし、
風が吹いたら移動させる。気象変化のたびにロープを操り原始的な気球操作をするのが
アドバルーン会社の仕事だ。この職能ゆえに広告だけでなく、気象観測や環境調査などの
気球掲揚を大学や自治体から依頼される。競合相手のほとんどない希少な専門職だ。

 「だから費用のうち人件費の割合が大きいんです。昔は『揚げ屋』と呼ばれた一種の
職人仕事ですよ。僕は今、40代ですが業界では若手の方です。多いのは50代、60代。
20代でアドバルーンやってる人は少ないと思いますよ」(水野社長)

 宣伝効果よりも「懐かしいから」の理由で依頼されるケースが増えた。
「老舗企業の創業祝で、昔ながらの赤白の気球を揚げてくれと言われることが多いんですよ」
(水野社長)

 海外からの参入はない。バルーン製作は手作業で、原型からキャラクターの形に作り
あげるのもまた職人芸だからだ。発祥、そして伝統の蓄積。日本人はアドバルーンを
もっと誇りに思っていいのではないか。

取材・文/藤木TDC
撮影/金子靖

アドバルーン2
<様々なアドバルーン>

「無添加食品」の罠!見えない“カビ”が引き起こす食中毒、発がんの恐怖

 「食品添加物は体に悪い」という「常識」を抱いていないか。「無添加」の表示に、
意味もわからず安心していないだろうか。そんな思い込みを利用したビジネスも増えている。
「食品添加物を怖がるほうが高リスク」と説く専門家に話を聞いた。

 食品添加物とは、食品の加工や保存の目的で使用されるものを指す。昔から、身の回りに
あるものが利用されてきた。たとえば、豆腐を作る場合に、固めるために入れるにがりや、
コンニャクを作る際には消石灰を使ったりする。これらは1000年以上も前に、中国から
伝えられた手法だといわれている。

 食品添加物は大きく4種類に分けられている(表)。厚生労働大臣が指定した
指定添加物(有機化学的合成化合物)と、天然由来である既存添加物、天然香料などである。
まずは、その安全性がよく取り沙汰される指定添加物について見ていこう。

■食品添加物に課せられた厳しい規制
 大妻女子大学教授・堀江正一氏は、食品添加物についての正しい理解を呼びかけている一人である。
「現在、厚生労働大臣により指定されている添加物は、そのほとんどが化学的に合成された
ものですが、安全性と有用性を確認して指定されており、心配すべきものではありません。
もちろん、基準量を超えての摂取は望ましくはありません」

 堀江氏によると、全ての食品添加物には、原則的に表示の義務がある。また添加物は
安全性が確認され、人体に影響がない量での使用という配慮がなされているという。

 「まず、『閾値(いきち)(無毒性量)』について説明しましょう。化学物質とは、閾値を超えない限り、
実験動物に有害な影響を及ぼしません。たとえば食塩のように、常識的な量では無害の食品も、
一気に150gほど食べると死に至ります。

 一方、ダイオキシンのように毒性が極めて強いものでも、その量をどんどん減らしていくと
生体に影響が出なくなります。化学物質の有害性は摂取する量に依存し、影響が出なくなる
閾値を知ることが大切です。閾値は物質ごとにそれぞれ異なりますが、1日に食べてもよい量が、
閾値より定められています。

 日本の基準では、通常閾値の量、すなわち無毒性量に100分の1という『安全係数』を掛け算して、
添加物の一日許容摂取量(ADI)というものを定めています。100分の1という係数の根拠は、
実験動物と人間のあいだの種差として10分の1、さらに人間の中でも性差や年齢差などの
個人差を考慮して10分の1を掛け合わせるというルールです。より慎重に対応しているということです」

 指定添加物=がんの原因と見る風潮が一部にある。
「指定添加物の成分の多くは、体内に蓄積しにくい性質のものが使われていますので、
PCB(ポリ塩化ビフェニル)のように蓄積による心配もないと考えます」

 最近は「無添加=安全」というイメージをうたう企業も増えている。堀江氏は
「無添加の基準があいまいであることも多く、消費者を迷わせ、ミスリードする危険性がある」
と懸念している。

■自然由来の添加物こそ合成添加物より危険
 「無添加」を表示する商品や店の中には、指定添加物は入っていなくても、天然添加物
(表の◆銑ぁ砲六箸錣譴討い襪海箸ある。鈴鹿医療科学大学教授・長村洋一氏はこう指摘する。

 「とある外食チェーンでは指定添加物を排除していることを売りにしています。しかし、
天然添加物は使用している。『天然素材由来の既存添加物=安全』という論理でしょう。
ですが専門家から言わせてもらうと、天然のものにもリスクはあり、『確認されていないから
わからないだけ』というものがかなりあります。

 たとえば、クチナシ色素は天然色素として有名ですが、アメリカでは『変異原性』(DNA合成に
影響を与えたり、構造を変えること)が認められて使用禁止になっています。日本では、発がん性が
認められないことと、クチナシ色素は日本の伝統的な食文化に根差したものであることなどから、
許可されています」

 長村氏によると、一方の指定添加物はここ38年間、一度でも問題を起こして禁止されたものは、
一つもないと言う。

■無添加のリスクは食中毒と発がん!?
 長村氏は、行きすぎた「無添加至上主義」について警鐘を鳴らしている。
「世の中のものが無添加の商品ばかりになったら、流通社会が危なくなります。どんな食品でも
時間が経(た)てば化学的に変化します。無添加のために腐敗したり、見えないカビが生えたり
した食品を食べて、食中毒になったり、発がんしてしまうほうがよほど恐ろしい話です。“自然の
状態である”ということは意外に“怖い”ことであるのです」

 とはいえ、長村氏は指定添加物の行き過(す)ぎた使用を推進しているわけではない。
「添加物は、有機合成品であれ、天然であれ、その規定量が守られている限り、豊かで安全な
食生活をもたらすことに役立っているのです」

 前出の堀江氏も、無添加のリスクに目を向けてほしいと訴えている。
「添加物に対する偏った情報を流したがるマスコミにも責任の一端があります。有害性が
見いだされたことに対しては、大きく取り上げる。その報道は消費者にとって極めて重要です。
しかし、安全性が確認されても取り上げない。繰り返しになりますが、無添加のものは腐りやすい。
微生物が増殖しやすいので、食中毒の原因にもなります。添加物で死に至ることはありせんが、
食中毒は死に至る可能性があります」

取材・文/山守麻衣

無添加
<表:食品添加物の種類>
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