2013年03月

セルジオ越後が物申す!サッカー日本代表“史上最強”はウソ!?

3月26日のヨルダン戦に勝てばW杯出場が決定する日本代表。“史上最強”とも言われる現代表だが、
別冊宝島『サッカー日本代表「史上最強」のウソ』で、セルジオ越後氏はこの強さは“まやかし”だと
インタビューに答えている。その一部をお届けしよう。

■過剰評価されている「海外組」ブランド
 日本では、日本代表や日本代表選手たちが、まるでアイドルのように扱われている。アイドルの
ようにというのは、つまりよいところしか見せないということ。とくに海外でプレーしている選手は
その傾向が顕著でしょ。夜のスポーツニュースを見ていても、映されるのはいいプレーばかり。
所属しているチームの成績とか、やっているサッカーの質などには目が向けられていない。

 こうして「海外組」というブランドが作られ、とにかく煽りまくる。一つの商品として徹底的に
持ち上げられる。テレビでそんなシーンばかり見せられたら、まるでドイツは日本人を中心に
回っているような錯覚を起こしてしまうかもね。ある瞬間、ある局面では、確かにそういうところも
あるかもしれない。けれど、全体で見れば日本人選手の活躍などほんの一部でしょ。それをことさらに、
それだけを報じることによって、実際の価値よりも随分高いものであるという見せ方をしてしまう。
ここにも「史上最強」を作ってしまう大きな原因がある。

 現在、本当の意味でトップレベルのクラブにいるのはマンチェスター・ユナイテッドの香川と
インテルの長友の2人だけでしょ。香川はケガをしている間に完全にポジションを失っているから、
コンスタントに活躍しているのは長友だけ。本田がロシアから出られないのはチームのプロテクトが
強いのも確かかもしれないけど、何より17億円レベルの移籍金を払うに値する選手だと思われて
いない、ということを忘れちゃいけないよ。

 海外でプレーしている日本人選手の主戦場はトップとは言い難いドイツやオランダのリーグ。ドイツは
国としては強いですが、ブンデスリーガの中で強いチームといえばバイエルンを筆頭にごく限られた
数チームしかいないし、そういうところで活躍しているからといって、「大活躍」と報じられてもね。

 清武もきれいなゴールを決めたといって日本のスポーツニュースでバンバン報じられたけど、
どういう相手に対して奪ったゴールか、という部分はまったく抜け落ちている。それではそのゴールの
本当の価値というものが見えてこないでしょ。ためしに、ブンデスリーガの他の選手を編集して
ダイジェストにして放送してみるといいですよ。そうすれば、大活躍と言われている日本人選手の
立ち位置がそれほど高いところにはないというのがよくわかると思いますよ。

 香川にしても、マンチェスター・ユナイテッドに移籍したといって騒がれる。そこで騒ぐのはいいけれど、
移籍したからといって「スーパー」かといえばそうじゃないでしょ。要するに実力よりも、周辺情報が
先にフィーチャーされてしまっている。実際、香川は加入してからほとんど輝きを見せられていない。
それは、最後は個の力で打開するというあのチームのサッカーの中で目立てないということ。香川が
ケガした後は、ウェイン・ルーニーとロビン・ファン・ペルシー(11─12シーズン、プレミアリーグ得点王)
のコンビネーションが確立されてきている。要するに、香川は生かされるタイプということなんですよ。

 どんな環境でも自分の力で生きられるほどのレベルにはないし、それが日本人選手の「現在地」
とも言えるでしょうね。ファン・ペルシーのように自分で打開できる日本人選手がまだいない。
そういう「スーパー」なレベルの選手が出てきてはじめて、騒ぐべきじゃないかな。

■ザックはあくまでも“クラブチームの監督”
 ザッケローニはこれまでクラブの監督しか経験がない(注2)。そして、この日本代表でも
《クラブチーム》を作ってしまった。つまり「ザックジャパン」というクラブチームですよね。固定化した
メンバーで、少々意地悪く言えば、まるで彼の草サッカーチームのよう。そもそも、代表チームに
監督の名前を冠するのは日本のメディアだけ。オフトジャパン、トルシエジャパン、ジーコジャパン・・・。
日本代表チームではなく、監督のチームということにしてしまう伝統だから「メンバー固定化」といった
問題も致し方ないような気がしますけどね。

 この不動のメンバーで2014年までもつかと言われれば、ある意味では「もつ」とも言える。
ある意味というのは文句を言う選手がいないということ。ジーコのときには、メンバーに招集されても
起用されなかった故・松田直樹が怒って合宿途中で帰るという一件もあった。日本ではああいう選手は
なかなか出てこない。みんな、土下座してでも代表でプレーしたい、代表に入りたいと思っているような
状態ですからね。

 これは一つに、上司や目上の人に対して「逆らわない」という日本の文化に起因していることかも
しれない。文句を言わない。上司に面と向かって何かを言ったりやったりするサラリーマンはほとんど
いないでしょ。だから、日本では居酒屋があんなに繁盛しているんですよ(笑)。

 例えば、欧州遠征のときに、佐藤寿人が呼ばれて、ハーフナー・マイクもいたにもかかわらず、
それでも本田をワントップにした。その瞬間に、「俺は帰る」と言う選手がいないということ。ブラジル
でもどこでも、使わないならそこで内紛が起きるでしょ。その前にメディアも書き立てるはずですよ。
ピッチャーがいるのに、ファーストの選手をマウンドに上げて投げさせたら、プロの世界であれば
みんな書くはずでしょ。でも本田なら大丈夫というのが、本当に理解できない。

 監督や協会にとって代表はビジネスだけど、選手にとって代表選手は名誉職みたいなもの
だからね。そういう意味で、ザッケローニのメンバー固定化が、内側から崩れることはないと
思いますよ。

 ただし、中核をなす遠藤保仁にしろ長谷部誠にしろ、果たして2014年の本大会のときに
どうなっているか。年齢的にはかなり厳しいものがあるでしょ。他のポジションも同じ。絶え間なき
競争と血の入れ替えによって、その「選手たち」やその「チーム」ではなく、「日本代表」という
パイを強化するという視点に立たないと、W杯の本大会で本当の意味で躍進することは
できないでしょう。

(注2)1983年に30歳でセリエCの監督に就任以来、2004年までセリエの監督を歴任。1995〜98年の
ウディネーゼ時代に結果を出し、99年ACミランで優勝。以後、ラツィオ、インテルと率いたが2004年に
解任される。06年トリノ、10年ユベントスの監督に就任するも結果は出せてない。

サッカー






<なぜ本田はビッグクラブに移籍できないのか。我々は世界を知らなさ過ぎる>

散髪、靴磨き・・・ 一息ついて、身だしなみも整うカフェって!?〜木村和久のトレンドをゆく〜

 最近変わったカフェの紹介が多い気がしますが、やはりカフェというものは何を起業するにも
都合がいいものですね。余ったスペースで自分のやりたいビジネスを展開することもできるんですから。

 そういう意味でいうと最近赤坂にできた「BEACON LOUNGE」は面白い。名の意味は「ビジネス・
コンビニエンス・ラウンジ」。無線LAN付きのノマド仕様カフェに、ブリテッシュテイストのバーバー
(床屋)、靴磨き、ズポンのプレスなどを加えて仕事の合間に身だしなみを整えてもらえる空間を作った。

 代表の清野さんは、元コンサルティング業で、そのノウハウを生かし、忙しいビジネスマンがいかに
骨を休めるかを考え抜いたそう。店は高級感のあるきれいなガラス張りで、一見料金が高そうだなと
萎縮してしまうが、実際は一杯ずつ入れるドリップコーヒーが350円。これが実に旨(うま)い。

 奥には映画『バーバー』のセットと見間違うほどの、おしゃれな理容スペースがある。さらに
ドレッシングルームには、ズボンプレッサーもあった。加えてコーヒーを飲んでいる間に靴磨きも頼め、
ほんとコンビニエンスだ。急に合コンが決まったビジネスマンなどが利用するのかな。

 バーバーのカット、シャンプー、シェービング、ヘアスタイリング込みのコースは初回4200円だが、
2回目以降は3200円で可能。ただし約3週間以内のリピートが必要。カットのみだと、1250円での
リピート料金だ。安いですね。うれしい誤算は女性客が多いことだそうだ。皆さんブーツ磨きを
頼んだりして、足繁く来られる。男性陣も負けてられませんぞ〜。

ビジネスマン
<撮影:金子靖>「BACON LOUNGE」店内の様子

知っているようで知らない!高齢出産のウソとホント

 「30・1」−これが何の数字かわかるだろうか?答えは第一子を産む母親の平均年齢だ。
厚生労働省が昨年6月に発表した2011年の人口動態統計調査によると、最初の子どもを持つ
女性の平均年齢が初めて30歳を超えた。加えて、芸能人の出産が増えていることもあってか、
雑誌やテレビなど多くのメディアで「高齢出産」が取り上げられるようになった。著名人の妊娠・出産
エピソードや幸せそうな子育て話が並べば、高齢出産でも“大丈夫なんだ”と考えがちになる。
だがその一方で、わかっているようで意外と知られない妊娠関連の事実も多い。
ポイントをQ&A形式で解説する。

Q:卵子は老化するってホント?
A:本当。そもそも、卵子は生まれる前、母親のおなかにいるとき(胎生20週=妊娠22週)に一生分が
つくられる。その数は約700万個。この約700万個をピークに、卵子の数はどんどん減っていき、
出生時には約200万個、初潮を迎える思春期には約20万〜30万個まで減少する。初潮以降は
大体月1回のペースで排卵され、同時に多くの卵子が排卵されることなく消滅してしまう。毎月排卵する
ので、その都度新しい卵子がつくられているように錯覚してしまいがちだが、母親のおなかにいるときに
既に卵子は誕生しているので、自分の年齢よりも1歳プラスした年齢が卵子の年齢だ。卵子も一緒に
年齢を重ねていく、つまり老化しているのだ。

Q:閉経すると子どもは産めない?
A:厳密にはそうともいえない。閉経とは加齢に伴い卵巣の機能が低下し生理の周期が不規則となり、
出血の量が減少し生理が1年以上ない場合を指す。一般的には50歳前後で閉経する人が多いが、
40歳以前に閉経を迎える「早発閉経」、55歳以上の「遅発閉経」もある。実際には閉経しても、第三者
から健康な卵子を提供してもらうことで子どもを産むことはできる。だが、早産や多量出血など、
分娩時を含めて何らかの異常が起こるリスクは大きいし、そもそも日本では法律的に認められていない。
最近では、海外で卵子提供を受ける人が増えているが、費用は数百万円にも上るケースもある。

Q:年齢が上がると、ダウン症の子が生まれる確率は上がる?
A:本当。ダウン症候群とは、体細胞の21番目の染色体が通常より1本多いことで発症する先天性の
疾患でダウン症とも呼ばれる。さまざまな染色体異常の病気の中でも、最も多い病気の一つであること
から、高齢出産のリスクとして大きく取り上げられることが多い。根本的な治療薬や治療方法はない。
母親の出産年齢が高いほど、子どもがダウン症を発症する頻度は増加することは、下のデータを見ると
一目瞭然だ。ダウン症の子どもが産まれるリスクがどれだけ上がるかで考えると、20歳と30歳では
約2倍となっているのに対し、高齢出産といわれ始める35歳前後と40歳では約5倍になってしまう。
年齢が上がるとともに、そのリスクの上がり方も大きな幅を見せるのだ。

出産



<出典:Hook EB>

Q:男性不妊は増えている?
A:本当。不妊は女性だけの問題ではない。WHOの調査によれば、男性側にだけ、あるいは男性も
女性も原因があるケースは49%もあるという。なかでも、精子の製造過程に問題があり、精子の数が
少ないなどの異常が出る精子形成障害は男性不妊の約9割を占める。この場合、薬物療法などが
行われる。子どもができない場合は、女性だけではなく男性も不妊検査を受ける必要が出てきていると
いえる。

取材・文/金野和子、オフィス三銃士

全国警察ワーストランキング!!気になる1位は・・・

 もはや日常茶飯事となった警察の不祥事や犯罪。国民の生活と安全を守るはずの警察がなぜ?
などといまさら思うなかれ。元兵庫県警刑事の飛松五男氏と警察ジャーナリストの寺澤有氏、
日本でもっとも警察を知る2人の男が、「警察こそが最大の犯罪者集団」であることを明かす。

【懲戒処分者データが明かす警察の隠蔽(いんぺ い)体質とは?】
 全国47都道府県の警察評価をランキングにしてまとめた。たとえば懲戒処分率ランキング。これを
見ると処分率の高い県警は奈良になる。もちろんひとつの目安にはなる。しかしそこに「数字の
まやかし、統計のミスリードがあることを肝に銘じておかなければいけない」と元兵庫県警刑事の
飛松五男氏は強調する。客観的にみえる“数字が真実とは限らない”からだ。警察発表の数字には、
常に発表する側の警察による隠された意図が色濃く反映される。具体的に見ていこう。

■統計数字の裏を読め警察のごまかしがわかる
 不祥事の目安となる懲戒処分率ランキングでワースト1の奈良県警では12件の処分が下されて
いるが、もっとも重い免職はゼロだ。よもやこの県の警察官はちょっとした間違いや悪事には
手を染めても、クビになるほどの犯罪をする度胸はなかったと考える人はいないだろう。

 「処分がないのには、処分できない理由があるのです。ありがちなのは2つ。処分を軽くしてもらう
ために、上司に女や金を握らせるか、『手心を加えないとあんたの悪事もバラす』と圧力を加えている
かのどちらかです」(飛松氏)

 そういわれて改めてランキングをみれば、たしかに不自然な数字が目につく。懲戒処分数は
少なくないのに免職はない、あるいは処分自体がないなどという警察があるのだ。「ある地域の
警察官だけが、揃いも揃って無垢などということがあると思いますか」(寺澤氏)

 その意味では、ランキングでは最優秀に属する山形県警と宮崎県警は、すべてを隠蔽して一切
外部に漏らさない体制堅固な組織か、自己浄化さえ不可能な腐りきった組織と考えられなくもない。
また、奈良と並んで、処分数は多くても免職のない兵庫県警などでは、問題を起こした警察官を
退職金の出る処分で退職させ、影響力のある会社や組織に送り込む天下りが頻発しているとも
される。懲戒処分者の警察発表は、さまざまな理由でどうしてもかばいきれず、しかもお手盛りで
処分に手心を加えたものの数字と、割り切ってみるのが順当といえる。

ワースト1














注:平成24年。処分率は処分件数を警察官の人数で割って算出した
割合。数値が高いほど処分された人の割合が多いということ


【あぶり出される真実は交通事故と死亡事故の差に現れる】
■順位の違いは誤魔化しの証拠!?
 上からの指示で、現場が事故数を操作するという。
「交通事故の発生割合と死亡事故の発生割合は、普通に考えれば近いものになるはずです。
そこに差がでてくるのは数字を操作している可能性が高い」(寺澤氏)
死亡事故ランキングでワースト3の島根県警が事故発生ランキングではなんと46位。
ワースト4の岩手県警が45位などはあまりにも差がありすぎる。

 以前、交通事故死の基準が「事故発生から24時間以内の死亡」だった頃は25時間後に死亡させる
ためにさまざまな方策がとられたという。しかし、その条件がなくなった現在、保険などの外部要素が
絡む死亡事故の割合は、誤魔化しが当然の警察発表数字のなかでは信頼性の高さが目立つ。
その結果、発生数を簡単に操作できる一般の交通事故とは数値が違ってくるのだ。

 もっとも死亡事故はともかく警察にとって交通事故は適度にあってほしいものらしい。「交通安全協会
などは、警察にとって非常に美味しい天下り先。ですから交通事故はあまり多くてもいけないが、
激減してはもっと困る存在です」(飛松氏)

取材・文/オフィス三銃士+本誌特別取材班

ワースト2
注:平成24年。発生割合はそれぞれの事故数を各都道府県の人口で
割って算出。数値が高いほど事故の発生頻度が高いということ

災害時のエネルギー源「おいしい非常食」が大人気!!

 東日本大震災から、もうすぐ2年。東日本では今も地震が頻発し、次なる巨大地震も予想されるなか、
防災用品の需要がうなぎ登りだという。その代表が乾パンや缶詰、ミネラルウォーターといった非常食。
常温での長期保存が可能、持ち運びに便利なことが条件だ。加えて「おいしさ」も追求した非常食に
最近人気が集まっている。

 非常食メーカー最大手である尾西食品の主力商品は、インスタントのご飯シリーズ。炊飯を
特殊技術で乾燥させた「アルファ米」を活用、保存期間は5年だ。大震災後、約4割増産しているが、
納品まで5カ月待ちの状態が続いている。

 「被災者の皆さんから『災害時こそ食事が楽しみ。ふだんと同じような食事がしたい』という要望が
多かったため、味の改良も重ねてきました。大震災のとき、実際に当社商品を食べたお客さまからの
リピートも増えています」と、同社社長の林紳一郎さんは話す。バラエティも豊かで、現在12種類を
揃えている。「個人向けでは、五目ごはんやドライカレーが売れ筋ですね」(林さん)。官庁や企業向けが
約9割を占めるが、一部のホームセンターなどでも購入できる。

 菓子も非常食としての評価が高まっている。栄養があって手軽に食べられ、何よりおいしいからだ。
森永製菓は、非常用の缶入りのビスケット、キャラメルが好評だったことを受けて、焼きチョコレートの
「ベイク缶」を2月に発売した。非常用の缶入りチョコレートは業界初だという。

 「大震災の経験から、とりわけお子さんに人気が高いことがわかりました。災害時のエネルギー源
にもなります。焼きチョコレートなら、夏場でも溶けないため、風味が落ちません。缶入りなので
保存期間は2年間、通常商品の2倍です」と、同社広報担当は説明する。スーパーなどから多くの
引き合いがきているそうだ。被災者の生活の質を保つために、食事の重要性が再認識されている。
防災用品のなかには、ぜひ“おいしい非常食”も備えたいものだ。

(文/野澤正毅)

非常食
<写真>“行列のできる非常食” バリエーション豊かな尾西食品のご飯シリーズ
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