2013年03月

アベノミクス“負”の側面を見極めよ!4月から始まる恐怖の「円安値上げ」の実態

 急激な円安によるガソリンや灯油価格の値上がりが始まっている。しかしそれは、これから訪れる
だろう“恐怖の値上げラッシュ”への前触れに過ぎない。カギは「価格転嫁」のシステムにある。

■円安による値上がりがじわじわと始まった
 アベノミクスにより、長く続いたデフレ脱却の兆しがみえつつある日本。1ドル70円台で
推移していたドル円相場は、いまや95円(3月13日現在)と100円に届く勢いだ。しかし、
喜ばしいことばかりではない。昨年末から続く円安の流れを受けて、輸入業者は大打撃を
受けているのである。もちろんその余波は一般家庭にもじりじりと襲いかかっている。

 たとえば、ガソリン・灯油といったエネルギー価格。円安で輸入価格が上昇し、昨年11月後半
時点で145円だった1リットル当たりのレギュラーガソリン価格は155円にまで上昇している。
同じく灯油も18リットル缶当たり、200円以上高騰。エネルギー価格の上昇は、民間企業の
輸送コスト増につながり、最終的に商品価格の引き上げに拍車を掛ける要因ともなる。

 また、その大半を輸入に頼るパソコン機器でも価格上昇が始まっている。もちろん外車や
海外ブランド品も次々と値上げを発表。一見すると、家計への影響はそれほど多くないように
みえるが、じつは生活必需品の本格的な価格転嫁はすぐそこまで迫ってきている。

■相次いで値上げが始まる“恐怖の4月”
 そもそも円安が販売価格に表れるのは品目によってタイムラグがある。ガソリン価格の
値上がりが早いのは、為替変動が1カ月後に反映される仕組みができ上がっているためだ。
同じエネルギーでも、電気・ガス代は3カ月間の平均輸入燃料価格が3カ月後に自動的に
価格に転嫁される「燃料費調整制度」があるため、価格転嫁のタイミングは異なる。
それに基づき、電力・ガス各社は、相次いで4月からの値上げを発表している。

 なかでも円安でもっとも家庭を悩ませることになるのが小麦価格の上昇だろう。現在、
輸入小麦は政府が一括輸入し、民間へ売り渡し、4月と10月の年2回、価格改定をしているが
4月には約9・7%の価格引き上げが決まっている。製粉会社の仕入れ価格が上がれば、
価格への転嫁も行われ、小麦を原料とするパン、麺などの値上がりに直結する。2011年に
パンの消費額がコメを追い抜き、「コメ離れ」が進む日本人にはつらい状況となるだろう。
円安による負の側面はこれだけではない。輸入に頼る食品や家具、牛肉・豚肉、ワインなど、
その影響は非常に広い範囲に及んでいくのだ。

 なかには「景気が良くなって給料が上がればなにも問題ない」と思う人も多いだろうが、
20年ぶりの景気浮揚にとまどい、賃上げに慎重な姿勢をみせる日本企業がそう簡単に
重い腰を上げるとは考えにくい。一般に、早ければ夏のボーナスがアップするところもあると
いわれているが、それでは4月から始まる値上げラッシュには間に合わない。今後も一層
加速するであろう円安の流れ。となれば生活必需品のさらなる値上がりは確実。
国民はしばらく我慢を強いられそうだ。

取材・文/オフィス三銃士

アベノミクス





<これから値上げする商品>

世界の「スヌーピー」と日本の「伝統工芸」 夢のコラボが実現!

 スヌーピーの作者チャールズ・M・シュルツ氏と親交のあった日本人アーティスト大谷芳照氏の
呼びかけにより、日本の伝統工芸の匠たちが結集!“スヌーピー”をモチーフに各自の技を競う
クリエイティブ魂あふれる作品たちが誕生した!

■スヌーピーを題材に日本の匠が腕を競う
 世界中で愛されるキャラクター“スヌーピー”を生んだ『ピーナッツ』の作者、
故チャールズ・M・シュルツ氏。その遺志を継ぎつつ、同時に“ジャポニズム”を
身にまとったスヌーピーたちが、この春から日本全国を巡る。
仕掛け人は、墨と筆でスヌーピーを描いたことで知られる大谷芳照氏だ。

 彼が初めてシュルツ氏と出会ったのは1993年、スヌーピータウンプロジェクトに参加するため、
渡米したときのことだった。持ち込んだアート作品がシュルツ氏の目にとまり、以来親交を深めて
いったという。大谷氏の使う「YOSHI」というアーティストネームもシュルツ氏の命名だ。その後、
大谷氏はピーナッツキャラクターを日本の感性で描けないかと考え、そこから生まれたのが、
代表作「墨絵+スヌーピー」グリフアートとなった。

 今回開催される「スヌーピー×日本の匠展」は、その延長線上にあるユニークな挑戦だ。伝統工芸作家
を訪ねたときのこと、黙々と作品作りに打ち込むその姿が、アトリエでひとり『ピーナッツ』を描き続ける
シュルツ氏の姿に重なった。何かを作りだそうとするスピリットは、米国と日本という距離、漫画と工芸と
いう相違を超えたのだ。

 その経験をきっかけに、「工芸作家たちにスヌーピーを表現してもらう」という取り組みが始まった。
日本に受け継がれる伝統工芸の素晴らしさを伝えたい。珠玉のような伝統の数少ない技を守り続けて
いる匠たちを、スヌーピーを通して多くの人に見知ってもらおう−−そう思い立ってから5年、ついに
日本全国の“匠たち”の手による「日本のスヌーピー」が一堂に会すこととなった。

 世界で一番有名なスーパービーグル“スヌーピー”と、日本ならではの伝統工芸がコラボレートし
創り出される芸術品たち。その圧倒的存在感は、大きな感動を誘う。ぜひ実物に接してもらいたい。

スヌーピー










【輪島塗】金・銀・錫などの粉や色粉を蒔いて模様を描く「蒔絵技法」で作られている。
      黒と金を基調とした和テイストのスヌーピー。浦出勝彦作

「すき家」のバイトは命懸け!?強盗が狙いやすい飲食店とは・・・

■アルバイト・パートに過酷なゼンショー
 数年前からネット掲示板に「強盗事件でおなじみ」のファストフード店がある。その名も、すき家だ。
なぜ、格安で濃厚な味の牛丼が人気のこの店と強盗事件が結びつくのか。
「いやだって、マジで来るんですよ。それっぽいのが。こっちはバイトですからね、命は惜しいけど
仕事も欲しい。だからまあ我慢してます」

 こう語るのは現役すき家アルバイターであるEさん。筆者は、強盗事件ではなく、
すき家の母体であるゼンショーグループの雇用形態(の問題点)については聞き及んでいる。
「アルバイトなのに個人事業主扱いにして、なにかあっても補償はしないとか、残業しても
金払わないとかイヤなことは多い。正社員は店長だけでシフトがきつすぎるとかね。
僕自身、親会社は超ブラック企業って思ってますもん」

 通常なら正社員の仕事であろうこともアルバイトに肩代わりさせ、労働法違反だと国会でも
取り上げられている。が、いまだに社内体制は改められることはなく、アルバイトを「個人事業主」
扱いすることも譲っていない。

■すき家の防犯体制はウェルカムサイン?
 「そりゃ、会社のブラックぶりより強盗のほうが怖いっすよ。俺、いずれ作家になりたいから
深夜業務を受ける。けど、これが超ヤバいんす」

 Eさんによると、深夜営業は一人で店を管理することになっている。これは経営側がコストカットの
一環で決めた体制だという。夜中でも混みあう場所だと注文取りと調理で目が回るらしいが、
Eさんは「そっちのほうがましですよ」と笑う。なぜなら、人が少ないと強盗が来るんじゃないかと
緊張すること半端ないのだという。彼は2010年にバイトを始めた。

 「8日目にやられたんです。いきなり目出し帽かぶったジャージのデカいのが来て『金出せ』って
スタンガンと登山ナイフ持って。そりゃもうカネ出しますよ。で、警察では慰められたけど、店長には
給料から幾らか、罰だって言われて引かれちゃった。正式なのか知りませんよ、その店長すぐにクビで、
新しいのが来たから。その人にも俺は嫌われてたなあ、疫病神だって」

 Eさんはその年にもう一回、別の店で強盗に出会っているという。その際は金は奪われなかったが
強盗の一味と疑われたと嘆く。
「会社は防犯する気なしだし。殺されても補償はしないのかなあ、やっぱり嫌だな」
過去のデータを見ると2010年、すき家の強盗被害は57件。その年の飲食店強盗数121件のうち、
約半数を占め、2011年は63件で総数の9割になる。問題の深夜一人体制は昨年3月に一度
改められたが、Eさんの言うように現在は元に戻っている。

 「経営と防犯の天秤で、防犯(にカネかけるの)は要らないってことでしょう。カラーボールや
入り口に犯人の背丈の目安を貼ってます。これじゃウェルカムな感じ」
ゼンショーグループと対決している元社員のAさんは語る。売上とスタッフの安全で高くつくのは
どっちか。
「労働基準に関してはお答えできない。警備は万全です」(ゼンショー広報)とは言ってるが。

すき屋





<写真>すき家で行われた防犯訓練。強盗もあきれる?(2012年、岐阜)

1ヵ月で200万円稼ぐガイドも!中国人観光客の驚異の行動!!

 日本政府観光局の調べによると、昨年日本を訪れた中国人観光客は史上最高の143万人。
尖閣問題の影響で秋以降、観光客が激減したにも関わらず、前年比37・1%増を記録した。
外国人観光客全体における中国人の割合も約17%と韓国、台湾に次ぐ3位だが、この伸び率が
続けば、日本の観光業にとって「最大のお得意さん」が中国人になる日は目前に迫っていることになる。

 しかし、日本人はこれまで、あまりにも中国人を知らなかった。「あんな行儀の悪い連中、本当に
日本に入れていいのかいな――」これは、2年間にわたり中国人ツアー客と行動をともにした、
観光バス運転手、島田源五郎さん(58)の「独白」である。

■どんなに言ってもいうことを聞かない
 最初に中国人を乗せたとき、いまでも覚えてるのはなんと言ってもマナーのひどさよ。東名高速の
インターチェンジで休憩中、客が外に出た後、車内を見たら、床には豆の皮やらリンゴの芯だらけ。
どうも中国から生リンゴ持ってきたみたいで、それが向こうでは普通の感覚なんだな。車内は禁煙だが、
ひじ掛けには一応灰皿がついてるんだよ。何となくイヤな予感がして、ちょっと開けてみたら、ガムやら
鼻をかんだ紙やらがもうギッシリ詰め込んである。

 オレはさすがにバスガイドに通訳を頼んだよ。
「ゴミは備え付けのビニール袋に入れてください。後で回収しますと説明してやってくれ」
ガイドは中国語で説明してくれたけど、客はまったく聞いてない。夜ホテルに着いた後に点検しても、
ゴミをビニールに入れている奴は誰もいなかったな。ちなみにこのバスガイドっていうのは、ほとんどが
日本で暮らしてる中国人女性だ。日本語はペラペラなんだが、こっちで日本人と結婚しているのが
多い。実はこのバスガイド女が曲者で、ワールイ奴が多いのよ。それは後で話すけどな。

 それまでオレは、日本に観光でやってくる中国人ってのは日本人以上のカネ持ちというイメージを
持っていた。実際、先輩ドライバーからは、「花見の時期にやってくる中国人は、カネの使い方が
半端じゃない」と聞いたりもしていたんだが、それは間違いだったな。なんでも観光VISAの発給基準が
緩和されて、向こうで年収200万円くらいあれば観光目的の入国は可能らしい。あんまり年収が低い
中国人を入国させちゃうと、すぐツアー途中でどっかに消えちゃうらしくて、いまでもそれはあるんだよ。
オレも2回か3回、2人ぐらい客がいなくなったことがあったが、ガイドの女が「探さなくていい。私が
責任取るから大丈夫」と言うんで、そのままにしたことがあった。多分、いまごろ日本のどこかで
しっかり働いてるんじゃないか。

 話は脱線したが、オレが見た限り、中国人観光客が日本人以上に金持ちってことはあんまりない。
宿泊するホテルも、だいたい5000円から6000円くらいのところが多かったし、中国人はまず
自販機でコーヒーや茶を買うなんてもったいないことをしねえから。どうするかっていうと、ジャムの
瓶に茶の葉っぱを入れたものを持ち歩いてて、高速のサービスエリアで湯を補給するのよ。これを
あんまり大勢の中国人がやるもんだから、豊橋あたりのサービスエリアでは給湯器に行列ができ、
中国人の「お湯入れ」が禁止になったところもあると聞いたよ。

 昼メシにしても、安いところは大体好まれる。いつだったか、下道の国道走ってるときにガイドが
「あの牛丼屋に行きたいので止めてください」って言うもんだから「すき家」にバスを止め、20人全員が
牛丼屋に入ったときが1回だけあった。あれは本当にイヤだったなあ。高速を走ってても、とにかく
「遅い、飛ばせ」って文句を言う。速けりゃ速いほどいいってのが奴らの考えさ。

■ひと月で200万円稼ぐ中国人ガイドも
 秋葉原とかに、中国人観光客御用達の土産物屋がオレの知る限り4軒はあるんだけど、実はここの
店の経営者はみんな中国人か台湾人なのよ。従業員は日本人だけど。そこで、日本の民芸品や
健康食品が高い値段で売られてるんだ。干しナマコとか、日本人はあまり食わないから仕入れ値は
タダみたいなものなのに、それが5万円とかで売られていて、中国人観光客は「美味」「体にいい」と
信じ込まされて買ってるんだよね。中国人は日本人以上に健康食品に弱いから。

 要するに、中国人が中国人を騙してるってことよ。実はこのボッタクリにはバスガイドが絡んでいて、
ほとんどのバスガイド女は土産物屋と結託してる。何せ、土産物屋にツアーバスを誘導するだけで
バックマージンが3万、5万と入るってわけで、オレは実際、全盛期に毎月200万円を荒稼ぎしていた
という30歳くらいの中国人バスガイドを見たことがある。

 このガイドの話によれば、客のなかにはごくまれに本当の中国人富豪もいて、庭に植えるための
樹齢100年もするような松の木を、何百万円も出して買っていったそうだ。これはもちろん飛行機じゃ
運べないから、特別な海コン(海上コンテナ)に入れて横浜から舟で運ぶんだが、運賃だけで
100万以上かかる。そんな客の取引を成立させれば、手数料収入も何十万というカネになるという。
いま、尖閣問題を一番恨めしく思ってるのは間違いなく、バスガイド女だろうな。

中国
<年収200万円あれば日本観光VISAを取得できるという>

“政界のゴッドマザー“「鳩山安子」の黒幕伝説!!

■ブリヂストン創業者の娘として知られる資産家
 2月11日、鳩山由紀夫元首相の母、鳩山安子さんが都内の病院で死去した。90歳だった。
「安子さんは、民主党の“陰のオーナー”でした」と、葬儀に参列した元大手紙政治部記者が語る。
「夫の威一郎氏は元外相、夫の父は鳩山一郎元首相。そして2人の息子も政治家となった。
安子氏は戦後憲政史の語り部でもあり、存在そのものが伝説でした。大手新聞社でも彼女を
取材する機会はそうありませんでしたが、政治家を取り巻く環境が変化したいま、半世紀以上に
わたって権力の大奥に行き続けるという女性は、もう出てこないように思います」

■戦前、受験部屋に冷房があった実家
 “政界のゴッドマザー”と呼ばれた鳩山安子さんは1922年、福岡県・久留米市生まれ。
ブリジストン創業者・石橋正二郎氏の長女として生まれた。教育熱心だった石橋氏は東京の高校
(東京府立第二高等学校、現・都立竹早高校)を受験させるため、まだ小学校(現在の中学)に
通っていた安子さんに家庭教師をつけると同時に、当時(1934年)としては極めて珍しかった
「冷房」を安子さんの勉強部屋に設置させたほどだった。

 石橋氏と鳩山一郎元首相の親交からお見合い話に発展し、安子さんと鳩山威一郎氏は戦前の
1942年、帝国ホテルで結婚式を挙げる。安子さんが21歳、大蔵省の役人だった威一郎氏が
25歳のときだった。終戦の「玉音放送」を、安子さんは疎開先の軽井沢で聞いた。南洋のトラック諸島に
出征していた威一郎氏が無事に帰宅した際、父である鳩山一郎が出迎え、抱きしめたシーンを、
後に安子さんは「忘れられない」と語っている。

■2人の息子をどう育てたか
 大蔵省事務次官にまで登り詰めた夫の威一郎氏に対し「選挙に出てみたら」と強く勧めたのは
安子さんと、田中角栄元首相だった。1973年5月、田中角栄総理(当時)とゴルフに出かけた
威一郎氏は帰ってくると安子夫人にこう告げたという。
「決めたよ」
安子さんはこう返した。
「ああ、お決めになったんですか・・・」
「そうだ」

 こうして鳩山威一郎氏は政界に転身。福田内閣で外相をつとめ、安子さんは海外の要人夫妻と
交流を深める毎日を送った。由紀夫と邦夫、2人の息子は放任主義で育てた。とはいっても
家庭教師、お手伝いさんのいる生活。邦夫は家庭教師役の学生に蝶の生態を教えられ興味を持ち、
その後、日本有数のコレクターとなった。ともに東大に進学した由紀夫と邦夫は、祖父、父と同じ
政治家の道を歩むことになる。

 1986年の衆参同時選挙では、威一郎氏、由紀夫氏、邦夫氏がトリプル当選。由紀夫氏の選挙区、
北海道で、髪に積もる雪を払いながら安子さんは必死で応援演説を続けた。このとき一家3人での
出馬に反対した夫・威一郎氏をなだめ、弟に10年遅れて政界入りを決意した由紀夫を支えたのが
安子さんだった。日ごろ政治信条には口出ししない安子さんであったが、1996年の「住専国会」で
国会が空転した際、当時新進党の邦夫氏に向かって、安子さんは強く言った。
「予算が決まらなければ、お困りになっている方がたくさんいらっしゃる。それをどうお考えですか」
邦夫氏はその後新進党を離れ、兄・由紀夫とともに民主党結党に合流する。

■潤沢な資金力と資金提供問題
 数十億円とも言われた新党結成資金−−その資金源は、安子さんの保有する、ブリジストン株ほか
莫大な資産だった。政治キャリアが短かった鳩山由紀夫氏が急速に頭角を現し、やがて民主党政権
の初代総理に就任するのも、まさにこの「オーナー」の地位がモノを言ったからに他ならない。
民主党の前に由紀夫氏らが立ち上げた「新党さきがけ」も、その実質的オーナーは安子氏だった。
90年代後半から、安子さんはしばしば「政界のゴッドマザー」と呼ばれ、政権交代を狙う民主党の
最大のスポンサーとして認知されていった。

 後に問題となる「偽装献金疑惑」は、2002年ごろから、毎月1500万円の資金が安子さんから
由紀夫氏と邦夫氏に渡っていたというもので、それとは別に、鳩山兄弟は安子さんから2011年までに
それぞれ約42億円の現金、株、不動産の贈与を受けていた。その資金は、まさに4代にわたる
鳩山ブランドの「力の源泉」でもあったが、この献金問題が民主党の基盤を危うくするところまで大きな
騒ぎとなったとき、安子氏はプッツリと政治の世界との関わりを絶った。

 冒頭の元記者が語る。
「いまでも、由紀夫さんはカラオケで『おふくろさん』を歌うよね。父であった威一郎さんは忙しすぎて
家にいなかったし、ずっと反発していた。由紀夫氏に変わらぬ愛を注いでくれたのは母親の安子さん
であって、これは議員を辞めたいまでも変わらぬ気持ちだと思いますよ」

■いま浮上する巨額相続税問題
 安子さんの死去で、鳩山兄弟に降りかかるひとつの難題は巨額の相続税だ。安子さんは、
父・石橋正二郎から相続した時価300億円以上のブリヂストン株や、文京区の一等地、音羽にある
鳩山会館の土地など、少なくとも400億円以上の財産を保有していたと言われる。生前贈与された分
を除いても、由紀夫氏、邦夫氏が安子さんの遺産を相続するためにはそれぞれ50億円から60億円
の税金を支払う必要があると見られ、そうなると一族の総資産は相当目減りすることになる。
政権を支えた巨額の資産はいま、逆に大きな負担となりつつあるのだ。

 「4代にわたり日本の特権階級の象徴であり続けた鳩山一族ですが、由紀夫氏と邦夫氏の後の
世代は、残念ながら日本を担う政治家としてのスケール感を持ち合わせていない。ゴッドマザーの
死去が鳩山家のターニングポイントとなる可能性は十分に考えられます」(前出の元記者)
世に貧富の差はあれど、時代だけは何人にも公平に、容赦なく過ぎ去っていく。

鳩山
<写真>1996年、音羽の「鳩山御殿」にて
月刊宝島
記事検索