2012年12月

新年が来る前に知りたい!オウム容疑者逮捕や高速バス事故の余波・・・あの問題どうなった?

■サリンでは不起訴!?実刑は4〜5年か
 2012年は菊地直子など元オウム真理教信者たちが逮捕され話題となったが、
その後どうなったのか。

 菊地直子はサリン事件に関わったとして殺人、および殺人未遂容疑で指名手配されていた。
だが9月、事件関与の確証を得られないため、この件の不起訴を東京地検は判断。結局、
菊地直子の容疑は都庁に爆発物が届いて職員が重軽傷を負った事件の殺人未遂ほう助など、
比較的軽微な罪のみとなった。実際のところ、菊地直子にはどれほどの実刑が科されるのだろうか。

 「懲役4〜5年ほどが妥当でしょう。罪の種類から執行猶予はつきませんが、その程度と考えられます」
答えるのは宗教問題に詳しい紀藤正樹弁護士だ。サリン事件から17 年。長年逃げ回った結果、
捕まればこの程度の刑で済むというのは、皮肉な話である。

菊地

<写真>菊地直子容疑者

■高速バスの規制強化で100社以上が事業撤退
 7人が死亡した関越道高速バス事故。12月10日には事故を起こしたバス会社の社長に
道路運送法違反などで執行猶予つき懲役2年の刑が科された。「事故後、国交省の監査が入り、
運転手の意識は変わりましたね」(旅行代理店・アミイファクト)

 事故を受け、国交省は夜間にひとりの運転手が乗務できる距離を400キロまでに制限。事業者は
350社ほどあったが、厳格化された規制に対処できない100社以上が撤退を申し出たという。
国交省HPにある「高速ツアーバス運行事業者リスト」に載っている事業社数も12月10日時点で219社
だけだ。さらに高速バス最大手のウィラー・アライアンスは7月に値上げを発表、他社も値上げや
本数削減を検討中という。今後も事故・規制による業界の動きが注目される。

取材・文/オフィス三銃士

芸能界復帰を果たした酒井法子のアキレス腱!「弟の素行」

 2009年の覚醒剤取締法違反による逮捕から約3年半。執行猶予期間が明けたことで
芸能界復帰を果たした酒井法子。薬物事犯は再犯率の高さを指摘されている上、芸能界では
清水健太郎や田代まさしなどの例もあるだけに酒井についてもその“今後”が気になるところではある。

 「ただ彼女の場合、覚醒剤を気化したものを吸引する、いわゆる“あぶり”での使用と聞きますから、
これだと血管に注射するよりも中毒症状は弱い。また統計によると再犯者の約4分の3が最初の
逮捕から3年以内にまた手を出している。その期間をすでに過ぎている酒井さんは依存状態からは
脱していると見てもよいのではないでしょうか」(医療関係者)

 だが、もし薬物依存を克服していたとしても、酒井の芸能界復帰後には別の問題が残されている。
「それは腹違いの弟の存在です。彼は2012年3月、酒井の前夫である高相祐一の実父が経営する
スキーショップに対して“法子が逮捕されたのは前夫の責任”などと脅迫して逮捕されましたが、
この秋には出所しています。その弟が再度問題を起こすようなことがあれば、酒井にまた暗いイメージが
つきまとうことになる」(芸能ライター)

 この弟は、暴力団組員だった09年にも恐喝で逮捕されているだけに、今後も同様の事件を
起こさないとは限らない。出所後の収入の不安定さからまたぞろ何かの事件に手を出したとなれば、
酒井にとってのイメージダウンは必至だ。「真偽は定かでありませんが、すでに問題を起こしているとの
噂もありますが・・・」(同前)

 逮捕も起訴されていないのだから滅多なことは言えないが、もし弟が事件を起こしたとして、そのときに
被害者側がどういう行動を起こすのか−−この点が、トラブルが発生した場合に酒井サイドの頭痛の種
となりそうだ。

 「財産を持っているわけでもない弟に弁済を求めるよりも、酒井側に被害を訴えて“示談に応じないなら
マスコミにネタをバラす”とでもしたほうが・・・と考える人間もいないわけではないでしょうね」(同前)
復帰後も舞台以降の仕事は「まだない」というから、公私ともども、その前途はまだまだ多難のようだ。

のりぴー

ヌード写真集のウワサもある酒井法子

究極の接客で提供する至福の眼鏡選び〜木村和久のトレンドをゆく〜

 池袋の萌え系ショップが集まる、乙女ロードの近くに「執事眼鏡」というお店がある。メガネをかけた
執事がいるカフェと思ったら、なんと真っ当な眼鏡店だった。こりゃ失礼。東池袋の豊島区役所の
近くにポツンとある店だが、店構えがそこだけ異質で、毎月テーマを決めて、高級ブティックのように
ショーウインドウを飾るという。

 出迎えてくれたのは、細身の清潔そうな執事店長だった。彼は立派な販売員でもあり優秀な
技術者でもある。9月にできたばかりだが連日盛況で、日本全国から、お客さんが訪ねてくるという。
魅力はなんだ?

 まず品揃えが素晴らしい。乙女ロード系ノリで言うと、真っ赤な「東方MEGANE」というのが
展示してあり、若い女性には、萌え〜と感じるらしい。女性向けブランドは「ViVi fl eurs」など、
まるでアパレル化しているみたい。EXILEがかけていそうなクロムハーツ風の「ロズヴィー」という
ブランドも人気で実に守備範囲が広い。

 さらにレンズの端に穴を開けてイヤリング風につけたり、フレームの先が二つに分かれて、
がっちりとホールドするデザインなど、超最先端でオシャレな眼鏡が揃いまくり。ここは眼鏡の
セレクトショップなのだ。

 レンズ調整を含めたカウンセリングは、ソファで執事さん相手に1時間ほどしてもらい、じっくり
納得のいく眼鏡選びができる。度合わせも電子式からアナログの模擬レンズまで、細かく調節が利き、
アフターケアも万全だ。お店は小さいが、ネット中心に販路を広げ、今や全国区だ。従来の商品でも
やり方によっては、十分売れる。いい勉強になりました。

眼鏡

<用途に合わせた豊富なセレクト!> 撮影 金子靖

「カロリー制限食」は無意味!?糖尿病患者の正しい食事療法とは・・・?【連載:第4回 その「健康常識」は間違っている!】

 日本の糖尿病人口は1067万4320人で世界第6位(2011年、国際糖尿病連合)、深刻な糖尿病
大国である。糖尿病の食事療法というと、カロリー摂取量を減らす「カロリー制限食」という食事療法が
国内では主流であるが、一方で「糖質制限食」なる食事療法が注目され始めている。「糖質制限食」
とは、ごはんやパン、麺類、いも類、菓子など糖質の摂取を少なくする食事療法のこと。反面、カロリー
や脂質の摂取量にはこだわらず、肉や魚、豆、豆腐製品や野菜などを積極的に食べられる。

 血糖値の降下に加え、短期間で実現できるダイエット効果もあるという。この「糖質制限食」を実践し、
3週間で87キロから20キロの減量に成功。以後2年間「当初より20キロ減」を維持し、糖尿病の
コントロールにも成功しているのが、『おやじダイエット部の奇跡』作者の桐山秀樹氏だ。

■効果があるが、国内では異端視される糖質制限食
 桐山氏が糖質制限食を始めたのは、2010年。頭ごなしに不摂生を叱られた反動で、一念発起。
「糖質制限食」を提唱した医師の江部康二(えべこうじ)氏(京都・高雄病院理事長)の著書を読み、
これを実践。3カ月余りでメタボと糖尿病の数値を脱し、健康体を取り戻した。

 「医学界の『常識』であるカロリー制限食療法には、血糖値を押さえる効果があります。ですが、
カロリー計算が煩雑なことに加え、食事の量の少なさや、『高カロリー食』を我慢するという禁欲さが
必要。そのためよほど努力家で家庭の協力がない限り続けることが困難です。その点、糖質制限食は
肉もお酒(蒸留酒など)も大丈夫。糖質さえ制限すれば、食事をたくさん食べても問題ない。しかも
ダイエット効果が確実に表れるのです」(桐山氏)

 桐山氏はカロリー制限食を否定しているわけではない。ただ、「患者にとって難しいことを強いて、
それができないと患者のせいにしてしまう。その結果、糖尿病を悪化させる人が後を絶たない」と
指摘する。「米国含め、先進国では食事療法の一つとして認められている糖質制限食が日本では
なぜ異端なのか。日本でもせめて選択の自由があるべきではないでしょうか」(桐山氏)

■血糖値を上げるのは3大栄養素中「糖質」だけ
 桐山氏の師、江部医師にも話を聞いた。江部氏は兄・江部洋一郎氏(高雄病院院長・当時)の
影響で、1999年、糖質制限食と出会う。だが「あまりに変わった食事法であるため、最初は理解
できず、様子を見ていた」。しかし2002年、自身の糖尿病発覚を機に、「薬物治療をしたくない」という
動機から、本格的に糖質制限食を実践し始めた。「糖尿病の薬物療法とは、大変難しいものです。
薬が効きすぎて低血糖を引き起こすこともあり、さじ加減が困難です」(江部氏)

 糖質制限法が有効である理由を「糖質(炭水化物)こそが血糖を上げる張本人だから」と江部氏は
断じる。「3大栄養素として、糖質、たんぱく質、脂質があります。この中で、血糖値を上げるのは、
糖質だけ。糖質は摂取直後から急激に血糖値を上昇させます。これはグルコーススパイク
(食後高血糖)と呼ばれます。

 しかし、たんぱく質や脂質は血糖値に影響を与えません。04年米国糖尿病学会発行の本に記載が
あります。他の先進国もそれにならっていますが、日本は古い情報のまま更新していない病院が多い。
大多数の日本の医師も栄養士も、『単なる不勉強』としか言いようがありません」(江部氏)

 例えば、ご飯とステーキを食べた場合、血糖値を上げるのは、糖質であるごはんである。「ですが、
高カロリーであるステーキを食べるほうが、糖尿病患者にとって『悪い』と信じている医師がほとんど。
血糖値を上げるのは糖質だけという生理学的事実を知らない医師が、糖尿病治療に携わっていること
自体がリスクです」(江部氏)

■もう一つ恐ろしいのは「糖質をやめられない」病
 江部氏いわく、そもそも「主食やお菓子などの糖質をやめられない病」が存在するという。
「『炭水化物依存症』という病です。炭水化物依存症の人は食事でなかなか満足感が得られず、食後
すぐにダラダラとお菓子などを食べてしまいがちです。血糖値がある程度上がらないと満足感が
得られないのです。そんな人は、徐々に糖質を制限すると、体が慣れるでしょう」(江部氏)

 ただし、糖質制限をしてはいけない人も存在する。血液検査で腎機能が低下している人、
肝硬変の人、活動性すい炎のある人などだ。理由は、高たんぱく・高脂肪食が、それぞれの病態に
負担をかけるからである。「カロリー制限法が苦しければ、主治医と相談の上での糖質制限を
すすめます。レシピ本を参考にして、自分で食生活の改善もできます。自己血糖値計で計れば、効果は
すぐにわかるのですから」(江部氏)

血糖値

<糖質量の多い身近な食品>

取材・文/山守麻衣

日銀vs財務省 「日銀総裁」ポストめぐり・・・危険なロビー活動展開中!

■民主党が阻止した「武藤総裁」の人事
 5年に一度の「日銀総裁選」が来年4月に迫っている。日本の経済にも重要な影響を与える人事は、
一企業の人事とは異なり国会同意が条件となっており、毎回、極めて政治的な「工作員」の動きが
見受けられる。「今回は財務省の動きが、例年にも増して活発なようです」と、全国紙の政治部デスクが
語る。

 「次回の総裁選で、財務省は10年に1度の大物次官と呼ばれた武藤敏郎・大和総研理事長を
今度こそ日銀総裁として送り込み、長らく失っていた日銀総裁ポストを取り返そうとしているのです」
かつて、日銀総裁は日銀プロパーと大蔵省事務次官が「たすきがけ」で就任するものと決められていた。
独立性を維持したい日銀側と、最高クラスの天下りポストを確保し、金融行政に睨みを利かせたい
大蔵省がバランスを取った、阿吽の呼吸である。

 しかし現実を見ると、元大蔵事務次官が日銀総裁に就任したのは98年までつとめた松下康雄氏が
最後で、すでに3期15年、大蔵省・財務省出身者の日銀総裁は誕生していないのである。武藤氏は
2000年6月に当時の大蔵省事務次官に就任(任期途中で省庁名が変更され財務省事務次官に)し、
2年半という異例の長期にわたり次官に君臨。大物次官として内外にその名を轟かせた。

 次官退任後の03年3月、武藤氏は満を持して日銀副総裁に就任。もちろん5年後の総裁就任を
含んだ人事で、日銀生え抜きの「プリンス」こと福井俊彦理事長の「次」は武藤氏で確定というのが
暗黙の了解だった。ところが、5年後の08年。当時、政権交代を掲げ勢力を増してきていた野党・
民主党は、時の福田政権が示した「武藤総裁」人事を「とにかく財務省の天下りは認められない」と
拒否。武藤氏は飛ばされ、代わって日銀プロパーの白川方明氏が総裁に就任したのである。
これは武藤氏にとっても財務省にとっても大きな挫折であった。

 「政権交代後、財務省はこうしたイレギュラーな人事が二度と起きないよう、与党幹部に取り入り、
増税路線を巧妙に整備した。消費税増税路線を敷いた野田政権は最後まで財務省と勝栄二郎・
前事務次官の言いなりでしたし、自民党総裁選で増税派の谷垣氏が失脚すると、財務省は総選挙後の
安倍政権を想定し、すぐさま安倍政権時代の総理秘書官である田中一穂・主税局長が安倍氏を徹底
マークし、一度決定した増税路線をひっくり返されないよう、慎重に“オルグ”を展開している」
(前出のデスク)

■もう1人の大物次官勝栄二郎氏の去就
 安倍氏は自民党総裁選で、「デフレ脱却しなければ消費税を上げるのは反対」と表明している。
確かに消費税増税は決定したが、それを本当に実施するかどうかは時の政権が決めることであるから、
理論的には「安倍総理大臣」が消費税増税を撤回することは可能なのである。だが、そんなことは
絶対に許すまじ、というのが財務省の立場なのだ。

 「財務省としては、まず武藤氏の総裁就任が目標となりますが、やはり大物次官と目され、先に
退任した消費税増税のプロデューサーでもある勝栄二郎氏もまた、できれば日銀副総裁に送り込み
たい。2人を同時にというのはさすがに欲張りすぎでしょうが、何か考えているはずです」(同)財務省
にとってこれまでネックとなっていたのは、民主党内部の「内規」だった。それは「国会同意人事は
新任65歳、再任70歳未満」というもので、69歳の武藤氏はこれに抵触する。しかし、解散して
自民党中心の政権となればその内規はなくなる。

 武藤氏のライバルは、元日銀副総裁の岩田一政氏(現・日本経済研究センター理事長)や、日銀
プロパーの支援を受ける生え抜きの山口廣秀日銀副総裁などの名が上がっており、それぞれ現実味
がある。特に、日銀内部では「15年も日銀出身者が独自の舵取りをやってきたのに、また財務省から
トップを受け入れるのか」と財務省からの完全独立を叫ぶ声も多く、「そのためだったら白川総裁の
続投でも良い」といった意見もある。

 「他にも武藤氏が年齢的にダメなら、小泉政権時代に長く秘書官として政権を支え、安倍氏とも戦友の
間柄の丹呉泰健氏(現読売新聞グループ本社監査役)の名も上がっている」(同)日銀だけではなく、
大証と東証が統合して設立される『日本取引所』や日本政策投資銀社長人事など、確保しなければ
ならない重要天下りポストはいくつもある。これらを総取りするために、財務省はとにかく安倍政権の
“洗脳”が重要との認識を持っているのだ。誰が政権を取ろうとも、この国を動かしているのは常に
官僚という「日本の法則」は変わりそうもない。

日銀

来年春、5年の任期が切れる白川方明・日銀総裁(左)と次期総裁候補の武藤敏郎・元財務事務次官
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