ペナントレースでは巨人に独走を許したA級戦犯の中日ドラゴンズ。今年7月には投手起用を巡って
70歳の高木守道監督と73歳の権藤博投手コーチの“143歳バトル”が勃発して話題になったが、
それ以上に深刻な問題があるという。
“白井オーナー派”山武司と“佐藤代表派”立浪和義氏
高木監督は自身でも明言しているように任期は2年限定。次代へのつなぎでしかなく誰と揉めた
ところで支障は少ない。それよりも問題は高木の後なんです」(地元テレビ局記者)もともと睫擇亮,
“立浪和義監督”というのが球団としての青写真だったが、そこに狂いが生じた。今季東北楽天から
古巣復帰となった山武司が対抗馬に浮上してきたからだ。
中日一筋で通した立浪と、「いるとチームの雰囲気が悪くなる」(当時監督の山田久志談)とトレード
放出された山では勝負にならなそうだが、地元・名古屋での評価はそうでもない。「山は楽天に
移籍した後もオフになると名古屋で少年野球大会を主催したり、山本昌と共同でラジコン大会を
開いたりしています。愛知県生まれで愛工大名電高から中日入りという根っからの地元選手でもあり、
ファンや後援者は多いのです」(同前)
■白井球団オーナーの任期延長が引き金
一方の立浪も長年の球団への功績から山以上にファン、後援者は多い。しかしそんな立浪監督
就任を阻むのが、この6月の株主総会で中日新聞会長職の2年任期延長が決まった白井文吾球団
オーナーの存在だ。
「落合の前に候補に挙がっていた野村克也監督案、巨人を放出された際に実現寸前までいった
清原和博獲得案などに立浪は選手を代表する形でことごとく拒否反応を示してきた。いちいちその
対応をした白井オーナーからすればそんな立浪のことがおもしろくない」(球団関係者)
そもそも立浪監督案は、昨年就任した佐藤良平球団代表が進めたもの。「昨年、落合博満監督解任を
断行したのも佐藤代表。白井オーナーが今年限りで勇退するという話を受けて、白井色一掃の考えから
行ったことでした」(同前)
球団の親会社である中日新聞はもともと2つの地元紙が合併してできた会社で、それぞれの派閥が
いまも色濃く残っている。そのため球団オーナーを兼任する本社会長は両派閥から交代で選ばれる
のが慣例で、その去就に伴い球団でも監督・コーチには各派閥“お気に入りOB”が選ばれてきた。
白井オーナーの肝入りで誕生した落合政権を別派閥の佐藤代表が取りつぶすのはこれまでの
球団慣行から当然の行いであった。しかし白井留任となったことで話がややこしくなる。
「そもそも山復帰は脱・落合色の一環として佐藤代表派の進めたことですが、山にしてみれば
自力で地元人気を保ってきたという自負もある。白井オーナーが後ろ盾になってくれるなら大歓迎
でしょう」(同前)
早ければ今オフにも、立浪・山を旗頭にした派閥戦争が勃発することになる。「選手でもいまだ立浪を
慕う者が多い一方で親分肌の山に感化される若手も多い。どちらが監督となっても不満分子が生じる
ことは必至です」(地元紙記者)と、チーム内までもが分裂状態となりかねない。奇(く)しくも落合氏は
監督退任後に行われた講演で「山派と立浪派の対立が心配」との発言をしている。その先見の明は、
やはりさすがと言うべきか。
70歳の高木守道監督と73歳の権藤博投手コーチの“143歳バトル”が勃発して話題になったが、
それ以上に深刻な問題があるという。
“白井オーナー派”山武司と“佐藤代表派”立浪和義氏
高木監督は自身でも明言しているように任期は2年限定。次代へのつなぎでしかなく誰と揉めた
ところで支障は少ない。それよりも問題は高木の後なんです」(地元テレビ局記者)もともと睫擇亮,
“立浪和義監督”というのが球団としての青写真だったが、そこに狂いが生じた。今季東北楽天から
古巣復帰となった山武司が対抗馬に浮上してきたからだ。
中日一筋で通した立浪と、「いるとチームの雰囲気が悪くなる」(当時監督の山田久志談)とトレード
放出された山では勝負にならなそうだが、地元・名古屋での評価はそうでもない。「山は楽天に
移籍した後もオフになると名古屋で少年野球大会を主催したり、山本昌と共同でラジコン大会を
開いたりしています。愛知県生まれで愛工大名電高から中日入りという根っからの地元選手でもあり、
ファンや後援者は多いのです」(同前)
■白井球団オーナーの任期延長が引き金
一方の立浪も長年の球団への功績から山以上にファン、後援者は多い。しかしそんな立浪監督
就任を阻むのが、この6月の株主総会で中日新聞会長職の2年任期延長が決まった白井文吾球団
オーナーの存在だ。
「落合の前に候補に挙がっていた野村克也監督案、巨人を放出された際に実現寸前までいった
清原和博獲得案などに立浪は選手を代表する形でことごとく拒否反応を示してきた。いちいちその
対応をした白井オーナーからすればそんな立浪のことがおもしろくない」(球団関係者)
そもそも立浪監督案は、昨年就任した佐藤良平球団代表が進めたもの。「昨年、落合博満監督解任を
断行したのも佐藤代表。白井オーナーが今年限りで勇退するという話を受けて、白井色一掃の考えから
行ったことでした」(同前)
球団の親会社である中日新聞はもともと2つの地元紙が合併してできた会社で、それぞれの派閥が
いまも色濃く残っている。そのため球団オーナーを兼任する本社会長は両派閥から交代で選ばれる
のが慣例で、その去就に伴い球団でも監督・コーチには各派閥“お気に入りOB”が選ばれてきた。
白井オーナーの肝入りで誕生した落合政権を別派閥の佐藤代表が取りつぶすのはこれまでの
球団慣行から当然の行いであった。しかし白井留任となったことで話がややこしくなる。
「そもそも山復帰は脱・落合色の一環として佐藤代表派の進めたことですが、山にしてみれば
自力で地元人気を保ってきたという自負もある。白井オーナーが後ろ盾になってくれるなら大歓迎
でしょう」(同前)
早ければ今オフにも、立浪・山を旗頭にした派閥戦争が勃発することになる。「選手でもいまだ立浪を
慕う者が多い一方で親分肌の山に感化される若手も多い。どちらが監督となっても不満分子が生じる
ことは必至です」(地元紙記者)と、チーム内までもが分裂状態となりかねない。奇(く)しくも落合氏は
監督退任後に行われた講演で「山派と立浪派の対立が心配」との発言をしている。その先見の明は、
やはりさすがと言うべきか。