警察のセクハラ事件やわいせつ行為はなくなる?
謝っても謝ってもなくならない警察のセクハラ事件やわいせつ行為はなくなる日がくるのか?
関係者に聞けば聞くほどムリだという。なぜか?根深い背景がある。
<写真>謝っても謝ってもなくならない警察のセクハラ事件やわいせつ行為
■健康な若い男女だから当たり前!?
「被疑者をレイプした」「知人女性の裸を撮影しネットに投稿した」「捜査資料から女性に交際を求めた」
など、エロ小説もびっくりの所業の数々。そのたびに本部長や警察署長が謝っているが、これらの
不祥事はなくなりそうもない。
理由は簡単。セクハラやわいせつ行為をそれほど悪いと思っていない警察官が少なからずいる
からだ。関係者で警察に近い人ほど、口をそろえて「若い健全な男ばかりの厳しい階級社会だから
仕方がない」と真顔で説明する。1999年の桶川ストーカー殺人では、犠牲者女性が、相談した
埼玉県上尾署の刑事から「あなたもいい思いをしたんじゃないの」と言われたが、その時代から
なんら進歩は見られない。
特にひどいのは警察内部。前ページで元女性警察官が赤裸々に話しているとおり、警察内での
セクハラ行為は当たり前すぎて、どこまでがいけなくて、どこからが一般社会で問題なのか、判断が
つけられないのだ。
元警察官で、鹿児島県阿久根市の副市長だった仙波敏郎氏は、その著書『現職警官「裏金」内部
告発』(講談社刊)のなかで、「単身赴任してきているキャリアに自分の妻を人身御供(ひとみごくう)
として差し出す」「警察学校では、酒席で女性職員のスカートの中に足を突っ込み、下着の中に手まで
入れるという事件があった」「妻子ある警察官と不倫関係に陥り、『妻と別れて結婚する』という約束を
反故(ほご)にされて自殺した女性職員」といった、自身が見た警察内部の男女関係の様子を明かして
いるが、驚くことに本になるときにカットされた部分があって、その理由が「現実と信じてもらえないから」
というから笑えない。
その内容は、ペアで行動する男女の警官が昼間にラブホテルを利用したり、不倫関係にあった
女性職員を部下と結婚させたというもの。だが、こうした話も警察に近い人になればなるほど「別段
驚く話ではない」というから、そのことにこそ驚く。そして彼らに言わせると、「女性問題を起こすなら
警察内部にしろ」が常識だという。外部の女性と問題を起こすから騒ぎが大きくなるのであって、
内部ならいくらでももみ消せるからなのは言うまでもない。いまでもそうだ。
■裏金がある限り自浄作用はありえない
こうした異常状態が当たり前になっていることについて、関係者の声は二つに集約される。その一つが
「キャリア、ノンキャリアの弊害」だ。警察組織は、キャリアという官僚幹部組とノンキャリアという
現場組に分かれる。片や東大出のエリート、片や現場の採用組と、普通なら同じ職場になることはまず
ありえない状況の特殊な職場といえる。
警察幹部(キャリア)は、不祥事が起きると現場組(ノンキャリア)への締め付けを厳しくする。すると
その締め付けによって現場組のストレスが大きくなる。その結果、現場組が不祥事を起こすという
シャレにならない負のスパイラルになっているというのだ。
そしてもう一つ、セクハラ問題の陰に存在し、あらゆる警察問題の諸悪の根源になっていると指摘
するのが、警察最大の暗部「裏金問題」だ。この裏金問題がある限り、幹部も現場も共犯関係になる
ため、どれだけ幹部が厳しく現場をいましめようと、規律がゆるみきっているというのが関係者全員の
一致した結論だ。
取材・文/本誌編集部
謝っても謝ってもなくならない警察のセクハラ事件やわいせつ行為はなくなる日がくるのか?
関係者に聞けば聞くほどムリだという。なぜか?根深い背景がある。
<写真>謝っても謝ってもなくならない警察のセクハラ事件やわいせつ行為
■健康な若い男女だから当たり前!?
「被疑者をレイプした」「知人女性の裸を撮影しネットに投稿した」「捜査資料から女性に交際を求めた」
など、エロ小説もびっくりの所業の数々。そのたびに本部長や警察署長が謝っているが、これらの
不祥事はなくなりそうもない。
理由は簡単。セクハラやわいせつ行為をそれほど悪いと思っていない警察官が少なからずいる
からだ。関係者で警察に近い人ほど、口をそろえて「若い健全な男ばかりの厳しい階級社会だから
仕方がない」と真顔で説明する。1999年の桶川ストーカー殺人では、犠牲者女性が、相談した
埼玉県上尾署の刑事から「あなたもいい思いをしたんじゃないの」と言われたが、その時代から
なんら進歩は見られない。
特にひどいのは警察内部。前ページで元女性警察官が赤裸々に話しているとおり、警察内での
セクハラ行為は当たり前すぎて、どこまでがいけなくて、どこからが一般社会で問題なのか、判断が
つけられないのだ。
元警察官で、鹿児島県阿久根市の副市長だった仙波敏郎氏は、その著書『現職警官「裏金」内部
告発』(講談社刊)のなかで、「単身赴任してきているキャリアに自分の妻を人身御供(ひとみごくう)
として差し出す」「警察学校では、酒席で女性職員のスカートの中に足を突っ込み、下着の中に手まで
入れるという事件があった」「妻子ある警察官と不倫関係に陥り、『妻と別れて結婚する』という約束を
反故(ほご)にされて自殺した女性職員」といった、自身が見た警察内部の男女関係の様子を明かして
いるが、驚くことに本になるときにカットされた部分があって、その理由が「現実と信じてもらえないから」
というから笑えない。
その内容は、ペアで行動する男女の警官が昼間にラブホテルを利用したり、不倫関係にあった
女性職員を部下と結婚させたというもの。だが、こうした話も警察に近い人になればなるほど「別段
驚く話ではない」というから、そのことにこそ驚く。そして彼らに言わせると、「女性問題を起こすなら
警察内部にしろ」が常識だという。外部の女性と問題を起こすから騒ぎが大きくなるのであって、
内部ならいくらでももみ消せるからなのは言うまでもない。いまでもそうだ。
■裏金がある限り自浄作用はありえない
こうした異常状態が当たり前になっていることについて、関係者の声は二つに集約される。その一つが
「キャリア、ノンキャリアの弊害」だ。警察組織は、キャリアという官僚幹部組とノンキャリアという
現場組に分かれる。片や東大出のエリート、片や現場の採用組と、普通なら同じ職場になることはまず
ありえない状況の特殊な職場といえる。
警察幹部(キャリア)は、不祥事が起きると現場組(ノンキャリア)への締め付けを厳しくする。すると
その締め付けによって現場組のストレスが大きくなる。その結果、現場組が不祥事を起こすという
シャレにならない負のスパイラルになっているというのだ。
そしてもう一つ、セクハラ問題の陰に存在し、あらゆる警察問題の諸悪の根源になっていると指摘
するのが、警察最大の暗部「裏金問題」だ。この裏金問題がある限り、幹部も現場も共犯関係になる
ため、どれだけ幹部が厳しく現場をいましめようと、規律がゆるみきっているというのが関係者全員の
一致した結論だ。
取材・文/本誌編集部