2012年09月

セクハラは当たり前!?なくならない警察の不祥事

警察のセクハラ事件やわいせつ行為はなくなる?
謝っても謝ってもなくならない警察のセクハラ事件やわいせつ行為はなくなる日がくるのか?
関係者に聞けば聞くほどムリだという。なぜか?根深い背景がある。

警察

<写真>謝っても謝ってもなくならない警察のセクハラ事件やわいせつ行為

■健康な若い男女だから当たり前!?
 「被疑者をレイプした」「知人女性の裸を撮影しネットに投稿した」「捜査資料から女性に交際を求めた」
など、エロ小説もびっくりの所業の数々。そのたびに本部長や警察署長が謝っているが、これらの
不祥事はなくなりそうもない。

 理由は簡単。セクハラやわいせつ行為をそれほど悪いと思っていない警察官が少なからずいる
からだ。関係者で警察に近い人ほど、口をそろえて「若い健全な男ばかりの厳しい階級社会だから
仕方がない」と真顔で説明する。1999年の桶川ストーカー殺人では、犠牲者女性が、相談した
埼玉県上尾署の刑事から「あなたもいい思いをしたんじゃないの」と言われたが、その時代から
なんら進歩は見られない。

 特にひどいのは警察内部。前ページで元女性警察官が赤裸々に話しているとおり、警察内での
セクハラ行為は当たり前すぎて、どこまでがいけなくて、どこからが一般社会で問題なのか、判断が
つけられないのだ。

 元警察官で、鹿児島県阿久根市の副市長だった仙波敏郎氏は、その著書『現職警官「裏金」内部
告発』(講談社刊)のなかで、「単身赴任してきているキャリアに自分の妻を人身御供(ひとみごくう)
として差し出す」「警察学校では、酒席で女性職員のスカートの中に足を突っ込み、下着の中に手まで
入れるという事件があった」「妻子ある警察官と不倫関係に陥り、『妻と別れて結婚する』という約束を
反故(ほご)にされて自殺した女性職員」といった、自身が見た警察内部の男女関係の様子を明かして
いるが、驚くことに本になるときにカットされた部分があって、その理由が「現実と信じてもらえないから」
というから笑えない。

 その内容は、ペアで行動する男女の警官が昼間にラブホテルを利用したり、不倫関係にあった
女性職員を部下と結婚させたというもの。だが、こうした話も警察に近い人になればなるほど「別段
驚く話ではない」というから、そのことにこそ驚く。そして彼らに言わせると、「女性問題を起こすなら
警察内部にしろ」が常識だという。外部の女性と問題を起こすから騒ぎが大きくなるのであって、
内部ならいくらでももみ消せるからなのは言うまでもない。いまでもそうだ。

■裏金がある限り自浄作用はありえない
 こうした異常状態が当たり前になっていることについて、関係者の声は二つに集約される。その一つが
「キャリア、ノンキャリアの弊害」だ。警察組織は、キャリアという官僚幹部組とノンキャリアという
現場組に分かれる。片や東大出のエリート、片や現場の採用組と、普通なら同じ職場になることはまず
ありえない状況の特殊な職場といえる。

 警察幹部(キャリア)は、不祥事が起きると現場組(ノンキャリア)への締め付けを厳しくする。すると
その締め付けによって現場組のストレスが大きくなる。その結果、現場組が不祥事を起こすという
シャレにならない負のスパイラルになっているというのだ。

 そしてもう一つ、セクハラ問題の陰に存在し、あらゆる警察問題の諸悪の根源になっていると指摘
するのが、警察最大の暗部「裏金問題」だ。この裏金問題がある限り、幹部も現場も共犯関係になる
ため、どれだけ幹部が厳しく現場をいましめようと、規律がゆるみきっているというのが関係者全員の
一致した結論だ。

取材・文/本誌編集部

“逃亡者”男と女のドラマ−犯罪者たちの逃避行の裏側!

数々の文学、小説のモチーフとなった「逃亡者」たちの隠された生活。戦後犯罪史を彩った
彼らの半生と、どんな小説家さえも思いつかなかった、その意外な「潜伏生活」に迫る!

■男女逃避行系
 長期逃亡を単独で実現させることは難しい。共犯の男女が協力して、あるいは過去を隠した人間が
パートナーを見つけ、社会のなかにひっそりと暮らしているというケースは枚挙に暇がない。

 今年元日に警視庁に出頭したオウム真理教元信者、平田信(47)。約16年間に及んだ逃亡のほぼ
全期間を同じく元信者だった斎藤明美(49)とともに暮らしていた。「吉川祥子」と名乗っていた斎藤は、
大阪府内の接骨院に採用され受付を担当。この接骨院が借り上げていたアパートに平田を匿う形で、
約10年以上、その潜伏生活を支えたのである。

 平田は一切外出することはなく、昼に斎藤が近所の弁当屋で390円の「唐コロ弁当」と290円の
「ノリ弁当」を購入するのが日課。ゴミからアシがつかぬよう、決して割り箸を使わぬようにするなど、
その警戒心は極めて強かった。今年1月、自ら警視庁に出頭した平田の動機はいまだに解明されて
いない。

 同じくオウムの菊地直子(40)、高橋克也(54)も長く同棲生活を送った。菊地の場合は、当初、
信者の林泰男(54・現死刑囚)と行動をともにしながら、林が別の女性信者と逃げると高橋克也と
「夫婦」を装い神奈川県下に潜伏。

 その後、バイト先で知り合った内装業の高橋寛人(41)と知り合うと、今度は寛人と同棲。
寛人の求婚に、大胆にも「私はオウムの菊地だから結婚できません」と告白するなど、最後は男に
運命を預けた形だった。なお、菊地の逮捕はこの高橋寛人の兄の情報提供がきっかけである。

逃亡

<写真>菊地直子と高橋克也は「櫻井」姓の夫婦を演じていた

 1997年に起きた山口組ナンバー2、宅見勝若頭射殺事件の実行犯の1人、中保喜代春(62)。
中保は懲役20年の判決を受け服役中だが、13カ月の逃亡生活中に知り合ったクラブの女性と
全国各地を転々と移動。最後は何と女性が妊娠し、子どもができたために逃げ切れなくなって
逮捕されるという珍しい経緯を辿っている。

 また、1995年に茨城県で逮捕された岡下香(元死刑囚・享年61)・秋永純子(53)の場合は、
杉並区の資産家老女と共犯者1人を殺害し指名手配されながら、堂々とスナックマスターおよび
その妻として5年以上も生活していた。

 岡下の経営していたスナックは茨城県警の御用達だったというからまさに「灯台もと暗し」である。
だが、油断した岡下はテレクラで知り合った女に覚醒剤を打ったことで警察にタレ込まれ、潜伏が
発覚した。従犯の秋永は懲役5年であったが、岡下には死刑判決。2008年に死刑が執行された。

取材・文/本誌編集部

“突然死”はストレスが原因!? 明け方〜午前中は要注意ゾーン!

■「なんだかおかしい・・・」自覚症状が生死を分けた
 「いつも通りに床につき、いつも通り目覚めたつもりでしたが、まずベッドから下りられませんでした。
左半身がしびれていて、おかしいなと思ったんです。すぐに家族に異変を伝え、病院へ。
病院に着くまでは意識があったと思いますが、記憶は曖昧です」

 いまから7年前、2005年の夏に営業マンの後藤剛史さん(仮名)が患った「右視床出血」、
いわゆる脳出血の体験談だ。それまで大きく体調を崩したこともなかったし、47歳の働き盛りで
大病をすることなど想像もしていなかった。しかし、運び込まれた病院でMRIを撮ると、脳の出血と
腫(は)れが確認された。

 「私も家族も突然のことでびっくりしました。医師から心当たりを聞かれましたが、思い当たるのは
前日に猛暑のビル街を歩き回ったことぐらい。こういってはなんですが、私よりも不健康そうな
メタボ体型の人が周りには大勢いるのに、『なぜ自分が?』という思いが強かったですね」

 一方、食品メーカーに勤める佐伯英治さん(仮名)は、夜通し仕事をした朝方、これまで感じたこと
のない胸がムカムカする痛みを覚えたのちに、気持ち悪くなり、頭痛もあったため近所の病院に
かかったという。「心電図を撮ると、これは大変だからと大学病院を紹介され、その足で向かいました。
そしてそのまま手術です。心筋梗塞でした」

 と話す佐伯さんは肥満ぎみで糖尿病。しかし、細身で健康体なのに、心臓が原因で突然倒れ、
2週間意識を失ったあと奇跡的に回復した同僚もいたという。「彼はなんの痛みも前触れもなく
倒れて、気づけば病院のベッドの上だったそうです」(佐伯さん)

■前兆を感じ治療できれば「幸運な人」
 心臓突然死“ゼロ”アクションを展開し、日本医療学会の代表理事を務める笠貫宏氏は、
「働き盛りの人に突然起こる病気は、高血圧や糖尿病、喫煙、飲酒、肥満といった生活習慣が
要因となるイメージが強いかもしれません。しかし、じつは“精神的ストレス”が動脈硬化の原因
となり、発作の引き金となるのです」

 と、突然死に至る病気にストレスが深く関係していることを指摘する。同時に、長時間労働などの
過労や激しい運動、睡眠不足などによる肉体的・精神的ストレスの蓄積も無視できない。後藤さんや
佐伯さんが幸運だったのは、異常を感じてすぐに治療ができた点だ。本人の自覚もなく、また発見が
もう少し遅ければ、そのまま死に至る可能性も充分にありえた。

 後藤さんは入院1週間、自宅療養2週間、現在も血圧を下げる薬を毎朝飲んでいるが、後遺症は
ないという。視床出血は死亡率も高く、一命をとりとめても意識障害や知覚障害、半身麻痺が残る
場合が多い。病院外での突然死例が年間に10万人を超す現状を鑑(かんが)みても、まさに運が
よかったとしかいいようがない事例だろう。

■突然死の原因は脳と心臓未明から午前中は要注意
 厚生労働省は、『突然死』を“病気が発症、症状が発覚してから24時間以内に亡くなってしまうこと”
と定義している。事故などの外的要因なしに、痛みを感じる間もなく息を引き取る。自覚症状などない
からもちろん家族に別れを告げることもできずに、突如帰らぬ人となる。それが突然死だ。同様に、
発症から1時間以内に亡くなる例は『瞬間死』と呼ばれ、わずかな処置の遅れで命を落とす。
まさに1分、1秒が生死を分けるのだ。

 いずれも、要因は脳か心臓にある場合がほとんど。消防庁の発表によれば、前述の病院外で
突然死する10万人(年間)のうち、6万人が心臓疾患による心臓突然死とされている。原因には、
心臓に血液を送る冠動脈が詰まり、血流が少なくなることで発生する筋梗塞や狭心症、心臓の
筋肉の異常である心筋症、拍動に異常をきたす不整脈などが挙げられる。

 「心臓突然死のうちの約8割以上が、心室がけいれん状態となって停止する『心室細動』であり、
その原因は急性心筋梗塞が多くを占めますが、詳しくは不明です。心不全としかいいようがない
ケースも多々ありますし、そもそも死んでから発見されては、原因を追究するのは難しいのです」
(笠貫氏)

 また、心臓は自律神経に影響されやすい臓器とされている。運動したり興奮すると脈拍が上がり、
血圧が上昇する。逆に、リラックスしているときや睡眠中は脈拍が落ち着き、血圧も低下する。
これらはそれぞれ自律神経の“交感神経”と“副交感神経”が絶えずバランスをとって働いている
ために起こる現象だ。

 「副交感神経と交感神経の働きが入れ替わるタイミングが、もっとも心臓に負担がかかります。
両者の働きが入れ替わる明け方から午前中にかけて突然死が多く発生するのは、このためです」
(笠貫氏)後藤さんが脳出血を発症したのは朝の6時ごろ。また、佐伯さんの事例も明け方のこと
だった。両者ともまさに“魔の時間帯”だったわけだ。

 「いま思えば、数日前からめまいや肩こりがひどく、たまに吐き気もありました。そのときは大した
ことないと思ったのですが・・・」と後藤さんが振り返るように、少しでも「怪しい」と感じたら、万が一
のことを考え無理をせず安静を保ち、一刻も早く病院へ向かうのが得策だ。

取材・文/筒井健二、オフィス三銃士

突然死

<40代で突然死した著名人>
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