自分や家族を守ってくれる保険だからこそ、きちんと選びたい、失敗したくないのが保険選び。
 いまでは、保険の種類や商品が非常に多くどれが自分にとって適正なのかわからないという悩みをもつ人も多い。しかし、最初から諦めてしまってはいけない。ポイントさえ押さえれば、おトクな保険を選ぶことが出来るのだ。

 まず、保険加入時には「必要保障額」をきちんと把握しておくことが大原則。インターネットで簡単に必要保障額をシミュレーションできるので活用したい。
 さらに、契約する保険会社についても調べておきたい。その場合に着目したいのは「苦情件数」だ。もちろんこの件数だけで、その保険会社の善し悪しを比較するのは容易な考えだが、ひとつの目安として役立つことは間違いない。
 例えば、契約件数と苦情件数を比較していき、契約件数に比べて圧倒的に苦情件数が多いものは要注意だ。契約件数は生命保険協会のHPに掲載されているので確認しておいて損はない。

 また、保険販売員の話術には、決して惑わされてはいけない。
 現在、インターネットや保険ショップの普及が原因で従来までの「保険販売員からの営業をきっかけに保険に加入する」といったケースは減少しつつある。それだけ、熾烈な競争合戦が繰り広げられているため、販売員も売るのに必死だ。

 そこで、保険の勧誘は細心の注意を払いたい。なかでも注意したいのは公的機関が発表している数値を巧みに使う販売員。たとえば、販売員がよく使う数字に生命保険文化センターのデータがある。その老後資金の調査では日常生活に必要な最小額は、1カ月に22万3000円。しかし、この金額を真に受けてはいけない。
 じつは、このセンターは生命保険制度の健全な発展のための公益法人。保険販売を円滑に行うための組織だから、当然、保険が必要という前提でデータを揃えがちになっているだろう。

 必要なのはより客観的なデータだ。その手の情報収集のためには、ファイナンシャル・プランナーに相談することも考えたい。一生を通して多くのお金を払うのが保険。時間をかけて手間を惜しまずに賢く選ばなければいけない。大切なのは、疑問をもつこと。すべての話を信じるのではなく、数多くあふれる情報をきちんとした見識で取捨選択することがポイントとなるのだ。

宝島12年3月号_P45図
気をつけたい営業トーク(『宝島』2012年3月号より)