今話題急上昇中のモータースポーツ「レッドブル・エアレース」。
興奮と熱気に包まれた最速のスポーツの魅力に迫る!
「レッドブル・エアレース」は現在ただひとつの、世界規模で行われている飛行機によるレースである。世界中には数億もの視聴者とファンがいる人気急上昇中のモータースポーツだ。
この大会が始まったのは2003年。レッドブル社の「新しい都市型のモータースポーツを」という構想から生まれたこのレースは開催とともにその迫力が話題となり、一気に世界中に広がった。年々順調にファンを集めていたが、安全面の見直しのために11年から3年間、開催を中止。昨年からようやく再始動し、ついに日本初上陸、この週末に幕張海浜公園で開催される。
■最速で空を駆け抜ける極限のスポーツ
世界トップクラスの技術を持つ14名のパイロットたちが高さ25メートルのパイロン(エアゲート)で構成されたスラロームコースを決められた順序と飛行方法に沿って通過しタイムを競うこの競技。その魅力はなんといっても速さ。飛行機の最高速度は370キロを超えることもある。旅客機が360度の旋回をするのに2分かかるところを、レース機は10秒少々で飛ぶといえば、その速さがイメージできるだろうか。
このような桁違いのスピードを誇るマシンに乗るパイロットには想像を絶する重力がかかる。まさに極限のスポーツだ。スピードと重力に晒されながら瞬時に的確な判断を下し、ゲートをくぐっていく様は他の競技では味わえない興奮を与えてくれる。また3次元空間で繰り広げられるアクロバティックな旋回にもF1などの他のスポーツでは味わえない魅力と迫力がある。
■唯一の日本人選手 室屋義秀に注目!
また、注目したいのは日本人パイロット室屋義秀の存在だ。室屋選手はエアロバティック(曲技飛行)世界選手権での技術が認められ09年からレースに出場している。昨年にはハンデのある機体で戦ってきたにもかかわらず、自身最高の3位入賞を果たした。5月の日本大会では新型機をお披露目することも決まっており、今シーズンはさらなる活躍が期待されている。着々とチャンピオンへの道を歩んでいる室屋選手から今後とも目が離せない。
日本で初のレースの開催場所は千葉県の幕張海岸。会場の設置物のすべてが組み立て式であるため、都市での開催が可能なところもレースの強みだ。また、レース以外にもスカイダイビングや航空ショーなどさまざまな演出が用意されており、レースを知らない人でも楽しめる工夫がなされている。興奮と熱気に包まれたエンターテインメント「レッドブル・エアレース」。ファン以外も楽しめるこのレースの開催により航空スポーツへの関心が一気に高まるのではないだろうか。
写真上:初戦のアブダビ大会では、予選で3位、本戦6位でポイント獲得。自身初の優勝も見えてきた室屋義秀
写真下:エアゲートを通過するときは、機体を水平にしなければならない。規定に反すると即ペナルティでタイムが加算される
写真/Andreas Langreiter, Joerg Mitter, Predrag Vuckovic/Red Bull Content Pool
協力/田中一平(オネストワン)
(『宝島』2015年6月号より)
興奮と熱気に包まれた最速のスポーツの魅力に迫る!
「レッドブル・エアレース」は現在ただひとつの、世界規模で行われている飛行機によるレースである。世界中には数億もの視聴者とファンがいる人気急上昇中のモータースポーツだ。
この大会が始まったのは2003年。レッドブル社の「新しい都市型のモータースポーツを」という構想から生まれたこのレースは開催とともにその迫力が話題となり、一気に世界中に広がった。年々順調にファンを集めていたが、安全面の見直しのために11年から3年間、開催を中止。昨年からようやく再始動し、ついに日本初上陸、この週末に幕張海浜公園で開催される。
■最速で空を駆け抜ける極限のスポーツ
世界トップクラスの技術を持つ14名のパイロットたちが高さ25メートルのパイロン(エアゲート)で構成されたスラロームコースを決められた順序と飛行方法に沿って通過しタイムを競うこの競技。その魅力はなんといっても速さ。飛行機の最高速度は370キロを超えることもある。旅客機が360度の旋回をするのに2分かかるところを、レース機は10秒少々で飛ぶといえば、その速さがイメージできるだろうか。
このような桁違いのスピードを誇るマシンに乗るパイロットには想像を絶する重力がかかる。まさに極限のスポーツだ。スピードと重力に晒されながら瞬時に的確な判断を下し、ゲートをくぐっていく様は他の競技では味わえない興奮を与えてくれる。また3次元空間で繰り広げられるアクロバティックな旋回にもF1などの他のスポーツでは味わえない魅力と迫力がある。
■唯一の日本人選手 室屋義秀に注目!
また、注目したいのは日本人パイロット室屋義秀の存在だ。室屋選手はエアロバティック(曲技飛行)世界選手権での技術が認められ09年からレースに出場している。昨年にはハンデのある機体で戦ってきたにもかかわらず、自身最高の3位入賞を果たした。5月の日本大会では新型機をお披露目することも決まっており、今シーズンはさらなる活躍が期待されている。着々とチャンピオンへの道を歩んでいる室屋選手から今後とも目が離せない。
日本で初のレースの開催場所は千葉県の幕張海岸。会場の設置物のすべてが組み立て式であるため、都市での開催が可能なところもレースの強みだ。また、レース以外にもスカイダイビングや航空ショーなどさまざまな演出が用意されており、レースを知らない人でも楽しめる工夫がなされている。興奮と熱気に包まれたエンターテインメント「レッドブル・エアレース」。ファン以外も楽しめるこのレースの開催により航空スポーツへの関心が一気に高まるのではないだろうか。
写真上:初戦のアブダビ大会では、予選で3位、本戦6位でポイント獲得。自身初の優勝も見えてきた室屋義秀
写真下:エアゲートを通過するときは、機体を水平にしなければならない。規定に反すると即ペナルティでタイムが加算される
写真/Andreas Langreiter, Joerg Mitter, Predrag Vuckovic/Red Bull Content Pool
協力/田中一平(オネストワン)
(『宝島』2015年6月号より)