成功には方法論がある。仕事、家庭、人間関係……すべてにおいて、「ここを変えればうまくいく」という“キモ”があるのだ。20世紀に最も影響を与えたとされるビジネス思想「7つの習慣」が今、再び注目を集めている。そのエッセンスを紹介しよう。

■世界的に超ヒットした成功へのアプローチ
「7つの習慣」は、リーダーシップ論の権威で世界的なビジネス思想家のアメリカ人、スティーブン・R・コヴィー(1932-2012年)が提唱した成功のための考え方や行動の指針。その著書はベルリンの壁が崩壊した1989年に発表されて以来、世界で3000万部超の販売を記録。今やビジネス思想書としては定番中の定番だ。
 日本では96年に訳書が刊行されたが、昨年秋、より読みやすく、原著に忠実に内容を訳し直した『完訳7つの習慣 人格主義の回復』が刊行され、再び注目を集めている。高年収のビジネスパーソンには常識ともいわれ、新社会人に勧めたい本として、必ず挙がる一冊でもある。その内容を駆け足で紹介しておこう。
 ちなみに、注意したいのは、「7つの習慣」で説く「成功」とは、決して地位や年収そのものを意味するのではないこと。成功とは、成長した人格(謙虚、勇気、正義、勤勉、節制など)を得ることであり、そうすれば結果はおのずとついてくる。ここに誤解があるせいで、くすぶっている人は実は多い。

7つの習慣1<写真>『まんがでわかる 7つの習慣』 ¥1050(宝島社刊)
世界で3000万部、日本国内で180万部を突破した自己啓発本の金字塔『7つの習慣』初のまんが化。バーテンダーを目指す主人公・歩が勤め始めたバー・セブン。そこへ訪れる人々の悩みと気づきが、「7つの習慣」の要点とリンクし、読み応えのある物語となっている。







■正しい習慣が人生を変える 
 人格はすぐに向上はしないので、日々の習慣で少しずつ修正していく必要がある。コヴィー博士によれば、習慣とは、|亮院覆覆蕊要か、何をするべきか)、▲好ル(どのようにするか)、0嬪漾塀慣にしたい、という思い)がそろって初めて身につく。ただ成功している人のマネを毎日続けても無意味だし、長続きしない。成功する人の振るまい方を身につけたければ、その意義をきちんと理解し、意識的に行動することが大切、というわけだ。
 「7つの習慣」の実践にあたっては、「物事は自分の見方次第で変わる」という考え方が非常に重要視されている。成功しない人の特徴に、失敗をすぐ人や環境のせいにするという思考パターンがある。だが、それは単に自分の都合のいいように物事(世界)を見ているだけだ。人が持っている自分なりの世界の見方を「パラダイム」という。パラダイムを持たない人はいない。
 物の見方(See)が間違っていると行動(Do)を間違え、結果(Get)も思わしくないものとなる。まず「See」を変えよう。小さな変化を望むのであれば、行動を変えればいいが、大きな変化を起こそうとするのであれば、物の見方(See)を変える必要がある。
 自分が変えられるのは自分の考え方や行動のみ。内面(インサイド)を変えることでしか、周囲の結果(アウトサイド)は変わらないのだ。この真理を「インサイド・アウト」という。
 では、どんな物の見方と行動が望ましいのか。それを教えるのが「7つの習慣」だ。

【第1の習慣】 主体的である ―すべてにおいて「選択」を意識する
【第2の習慣】 終わりを思い描くことから始める ―ゴールを明確にし「原則」で行動する
【第3の習慣】 最優先事項を優先する ―「緊急ではないが重要なこと」が一番大事
【第4の習慣】 Win-Winを考える ―双方に利のある道が本当の解決
【第5の習慣】 まず理解に徹し、そして理解される ―「話す」より「聴くこと」が人を動かす
【第6の習慣】 シナジーを創り出す ―両者が納得する「第3の案」を探す
【第7の習慣】 刃を研ぐ ―日々、心身を磨き続ける

(全文は『月刊宝島』2014年2月号に掲載)

7つの習慣2<写真>読みやすくなった完訳版で再注目されている。