■減少する喫煙人口  タバコに“利”はない?

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 “百薬の長”ともいわれる酒に対し、「百害あって一利なし」とされるタバコ。世間では副流煙による非喫煙者への影響も叫ばれており、職場や公共の場での喫煙スペースはかつてより大幅に制限された。年を経るに従って、肩身の狭さを実感する愛煙家も多いことだろう。こうした社会の風潮を受けてか、日本人の喫煙率は年々減少の一途をたどっている。とくに男性の喫煙率減少は顕著で、日本たばこ産業の調査によれば、1960年代に80%を超えていた愛煙家は2013年には約32%まで減っているのだ。
 だが、本当にタバコは“一利なし”なのであろうか――。じつは、日本人ビジネスパーソンの多くが「タバコは職場の人間関係に影響を与える」と考えていることを示す統計が出ている。調査を行った転職サービスDODAの編集長、木下学氏は語る。
「喫煙者への風当たりが厳しいアメリカでは、『喫煙者は出世できない』とさえいわれています。一方、日本の25〜34歳のビジネスパーソンでは、半数を超える54%が『人間関係に影響する』、20%は『出世に影響する』と考えていることがアンケートで明らかになりました」(円グラフ参照)


■役員とも会話できるタバコの持つパワー

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 同調査の回答のなかには「喫煙所で他部署の人間や役員などと知り合うこともあるため人脈が広がる」など、タバコを通じて普段接する機会のない人たちとコミュニケーションを取る機会が得られるという意見もある。実際、本誌も幾人かの喫煙者に質問したところ、「タバコを通じて親密になった上司に認められ、係長に出世した」という声もあったほど。こうした意見の裏付けとさえいえるのが、タバコのメリットを肯定する意見が決して喫煙者だけではないということだ。
「喫煙者の49%が『タバコは職場での人間関係に有利だと思う』と回答しているのですが、じつは非喫煙者で同じ回答をした人は55%にも上ったのです。まさに喫煙所という未知の領域が非喫煙者にとって“憧れの場所”として映っていることの表れといえるでしょう」(木下氏)
 すなわち、ことビジネスシーンにおいては、ときとしてタバコは非常に強力なコミュニケーションツールとしての役割を果たすこともあると示唆しているのである。




取材・文/オフィス三銃士
画像出典/転職サービス「DODA」