痴漢・盗撮・窃盗など、警察官の不祥事が連日報道されている。
以前に比べ、警察官の不祥事が報道しやすい環境になったのか。

 「痴漢などの警察官個人の犯罪はトカゲの尻尾切り。それより、組織全体の腐敗から目を
そらしてはいけないんです。1999〜2000年ぐらいに隠ぺいしていた不祥事が多数発覚して、
そのとき警察は、巡査とか巡査部長クラスの個人的な痴漢や飲酒運転、万引きなどは
発表しようとなった。これは、そんなことで上司が責任とらされちゃたまらんから、という理由です。
それで下っ端の個人犯罪はもみ消さなくなった。それまではもみ消し放題だったんですけどね」

 こう語るのは日本警察の問題点を長年にわたり追及してきたジャーナリスト・寺澤有氏。
「先日、ノンキャリで県警トップになった人と話してたら『警察官になっちゃいけない人物が
なっちゃってるよね』と言ってましたね。幹部は、いくらなんでも現在の警察官のレベルは
ひどすぎると思っている。でも、人事や採用に関してはコネとか親族が強く、二代目、
三代目も多い。人事・採用は、組織体質的な問題でしょう」

 これらに加え、天下りの問題も根強く残るという。
「いま警察も年間約1万人が辞めているわけですが、その天下り先は、なぜ彼らを受け入れるのか。
それは個人情報を入手できるからです。警察OBなら簡単に情報を得ることができる。
本来なら、捜査一課長クラスが照会しないと個人情報はわからないようにしないといけないのに、
末端の警察官が簡単に個人情報を照会できてしまうんです。天下り先企業にいる警察OBが、
後輩警官に照会させれば一発でわかる」

■週刊誌まで機能不全に
 多くの問題点を抱える警察組織。なんとか改善していく術はないのだろうか。
「マスメディアが機能不全を起こしているから、警察に改善を促すのは難しいですね。
発表されることをボーッと待ってるだけのテレビ・新聞の記者クラブ員が元からダメなのは
わかってるんだけど、最近は週刊誌までもがダメになってきた。全体的な取材力の低下。
以前は、警察の不祥事ネタをテレビ・新聞がつかんで『うちじゃできないから』ということで
週刊誌へのネタ流しがあったけど、今はもうそれさえなくなってしまった。テレビ・新聞の記者が
そもそもネタをつかんでいないし、つかもうともしていない。テレビではその代わりに
『警察24時間!』みたいなヨイショ番組をやっている。数字がとれるし、お金になるから」

 現状は“警察のやりたい放題”のようだ。
「先日も長崎で2人の署長が部下に不適切な言動があったとして更迭されるという事件が
ありましたが、その言動の内容を発表していない。かなり悪いことをしないと更迭になんて
なるわけがない。しかも2人同時に。こういうのを追及するのが地元の新聞だと思うんですが、
ちゃんとやれるのかどうか。メディアがちゃんと仕事しているかどうかは、県民・国民がチェック
すべきなんです。しっかり仕事をしない新聞なんて、お金を出して買う価値がないはずです。
先日も富山資産家夫婦殺害・放火事件で容疑を認め自白していた富山県警警部補が
嫌疑不十分で不起訴になるなど、捜査でヘタ打っても批判されないし、警察が楽をできる体制に
なっている。国民が批判しないからメディアも動かない悪循環。このままほったらかしにしてると、
警察は図に乗ってなんでもやってしまいますよ」