新井昭雄さん(55)は今年夏に懲役5年の刑を終え、府中刑務所を出所したばかりの
元・受刑者である。あの6代目山口組も服役していた日本最大の刑務所の最新「内部事情」
を聞こう。

■看守が覚醒剤で逮捕その不祥事の構造
 今年3月に府中刑務所の若い看守が受刑者に覚醒剤を渡して逮捕されましたね。
どうしてこういうことが起きるのか。府中は再犯刑務所で、海千山千の懲役が集まる
ところですから。気の弱い若い看守は、篭絡されてすぐに弱みを握られてしまうんですよ。

 はじめは食事の量が少ないとかそういうことから便宜供与を要求し、一度でもそれに
応じれば「上司にバラす」「これが最後のお願いだ」と言って便宜供与をエスカレートさせる。
この看守は大阪まで行って覚醒剤を買ってきたそうですが、どこで売ってるかまで懲役に
指示されたんでしょう。かわいそうに。

 事件がめくれたあと、すぐに全国の刑務所で懲役だけでなく刑務官まで、所持品の
一斉捜検が行なわれたんです。いい迷惑ですわな。日本の公務員の不祥事・処分件数で
ダントツに多いのが法務省。これは刑務官が原因です。

■山口組6代目の呼称番号は「5100」
 府中刑務所の受刑者数は年々増えてまして、本来3200人が定員のところ、入りきらない
ものだから独居房を2人で使っている。今後も増え続けるでしょう。

 2年前に出所した山口組6代目の司忍(篠田建市)組長ね。あの人の呼称番号がちょうど
「5100」でした。後藤組みたいだな、なんて言われてました。4000番台は外国人専門
なんだけれども、これだけでも受刑者数がいかに多いか分かるでしょう。

 6代目は舎房2階一番奥の独居で、特別な扱いを受けてましたね。面会のときも担当の
オヤジだけでなく、部長クラスの幹部が必ずつきそってましたから。廊下で他の懲役と
すれ違うときには、懲役に右を向かせ停止させる。6代目とは目を合わせることすら
禁じられましたよ。

 もちろん、侍工場(暴力団員だけが配属される工場)なんかに6代目をおろしたら
大変なことになりますから、工場には入れさせませんでした。というわけで、要養護の高齢者が
働く軽作業の現場に配属されていたのですが、なかには6代目のことを知らない爺さんもいて
「あんたどっから来たの」なんて普通に話しかける人もいたようですよ。6代目は大人なので、
もの静かに対応していたようですけどね。

 まあ6代目と言ってもテレビに出るような人ではないので、知らなくても不思議じゃないけれども、
あの田代まさしが雑居房で本人と気付かれなかったときには、さすがに哀れだなと思いましたよ。

 彼が何度目かの逮捕で判決が出た後は、ときどき週刊誌なんかの記事に取り上げられて
いたんですけどね。普通、特定の受刑者に関する記事が新聞や雑誌に掲載されると、当該の
刑務所では黒塗りになって閲覧禁止になるんですが、田代の場合はなぜかノーチェックで。
本人がいるのに記事が全部読めましたからね。ある意味官にもスルーされてました。

 ただ、彼は人を楽しませることが好きないい奴ですよ。島田紳助のほうがよっぽどワル。
早く出所して社会復帰して欲しいですね。

山口組
<独居に閉じ込められていた山口組の司忍組長>