2008年の税制改正によってスタートした「ふるさと納税」の注目度が高まっている。
ふるさと納税の最大の特徴は、「取られる」という印象の強かった税金を「自分で選んで納める」
という一人ひとりの自発性に基づいて各自治体に渡していく点にある。「納税」という言葉が
使われるが、正確にいうと「自治体に寄付したお金の一部を、本来納めるべき税金から差し引いて
もらう」ということ。だから、寄付した人は確定申告をして所得税の還付や住民税の割引を受ける。

 それにしても各自治体のふるさと納税に対する取り組みはユニークだ。栃木県那須塩原市では
納税してくれた人に「ふるさと市民カード」を発行し、市の観光施設を市民と同じ料金で利用できる
ほか、提携した市内の飲食店、商店、宿泊施設で割引やプレゼントなどの優待が受けられる
サービスを提供している。同市への納税実績は、スタート時の08年が128万円だったのに対して、
11年度は232万円に伸びているそうだ。

 こうした各自治体の取り組みを紹介しようとNPO法人・支援全国地域活性化協議会が
立ち上げたサイトが「ふたくす」だ。サイトを開くと、1万円以上納税した人に地元名産の
「焼きあなご2串セット」をプレゼントする兵庫県高砂市などが紹介されている。

 理事長の吉戸勝さんは「毎月5000〜6000のページビューがあります。確かにプレゼントも
魅力の一つだと思います。それと同時に、自分で納税先を選択することによって税金の使い道に
目を配ることの大切さに気づき、納税者意識が高まることもふるさと納税の重要な役割だと
考えています」と語る。あなたも出身地や気になる自治体に一度納税してみては。

文/伊藤博之

ふるさと納税
<ユニークなふるさと納税の御礼>