■アルバイト・パートに過酷なゼンショー
数年前からネット掲示板に「強盗事件でおなじみ」のファストフード店がある。その名も、すき家だ。
なぜ、格安で濃厚な味の牛丼が人気のこの店と強盗事件が結びつくのか。
「いやだって、マジで来るんですよ。それっぽいのが。こっちはバイトですからね、命は惜しいけど
仕事も欲しい。だからまあ我慢してます」
こう語るのは現役すき家アルバイターであるEさん。筆者は、強盗事件ではなく、
すき家の母体であるゼンショーグループの雇用形態(の問題点)については聞き及んでいる。
「アルバイトなのに個人事業主扱いにして、なにかあっても補償はしないとか、残業しても
金払わないとかイヤなことは多い。正社員は店長だけでシフトがきつすぎるとかね。
僕自身、親会社は超ブラック企業って思ってますもん」
通常なら正社員の仕事であろうこともアルバイトに肩代わりさせ、労働法違反だと国会でも
取り上げられている。が、いまだに社内体制は改められることはなく、アルバイトを「個人事業主」
扱いすることも譲っていない。
■すき家の防犯体制はウェルカムサイン?
「そりゃ、会社のブラックぶりより強盗のほうが怖いっすよ。俺、いずれ作家になりたいから
深夜業務を受ける。けど、これが超ヤバいんす」
Eさんによると、深夜営業は一人で店を管理することになっている。これは経営側がコストカットの
一環で決めた体制だという。夜中でも混みあう場所だと注文取りと調理で目が回るらしいが、
Eさんは「そっちのほうがましですよ」と笑う。なぜなら、人が少ないと強盗が来るんじゃないかと
緊張すること半端ないのだという。彼は2010年にバイトを始めた。
「8日目にやられたんです。いきなり目出し帽かぶったジャージのデカいのが来て『金出せ』って
スタンガンと登山ナイフ持って。そりゃもうカネ出しますよ。で、警察では慰められたけど、店長には
給料から幾らか、罰だって言われて引かれちゃった。正式なのか知りませんよ、その店長すぐにクビで、
新しいのが来たから。その人にも俺は嫌われてたなあ、疫病神だって」
Eさんはその年にもう一回、別の店で強盗に出会っているという。その際は金は奪われなかったが
強盗の一味と疑われたと嘆く。
「会社は防犯する気なしだし。殺されても補償はしないのかなあ、やっぱり嫌だな」
過去のデータを見ると2010年、すき家の強盗被害は57件。その年の飲食店強盗数121件のうち、
約半数を占め、2011年は63件で総数の9割になる。問題の深夜一人体制は昨年3月に一度
改められたが、Eさんの言うように現在は元に戻っている。
「経営と防犯の天秤で、防犯(にカネかけるの)は要らないってことでしょう。カラーボールや
入り口に犯人の背丈の目安を貼ってます。これじゃウェルカムな感じ」
ゼンショーグループと対決している元社員のAさんは語る。売上とスタッフの安全で高くつくのは
どっちか。
「労働基準に関してはお答えできない。警備は万全です」(ゼンショー広報)とは言ってるが。

<写真>すき家で行われた防犯訓練。強盗もあきれる?(2012年、岐阜)
数年前からネット掲示板に「強盗事件でおなじみ」のファストフード店がある。その名も、すき家だ。
なぜ、格安で濃厚な味の牛丼が人気のこの店と強盗事件が結びつくのか。
「いやだって、マジで来るんですよ。それっぽいのが。こっちはバイトですからね、命は惜しいけど
仕事も欲しい。だからまあ我慢してます」
こう語るのは現役すき家アルバイターであるEさん。筆者は、強盗事件ではなく、
すき家の母体であるゼンショーグループの雇用形態(の問題点)については聞き及んでいる。
「アルバイトなのに個人事業主扱いにして、なにかあっても補償はしないとか、残業しても
金払わないとかイヤなことは多い。正社員は店長だけでシフトがきつすぎるとかね。
僕自身、親会社は超ブラック企業って思ってますもん」
通常なら正社員の仕事であろうこともアルバイトに肩代わりさせ、労働法違反だと国会でも
取り上げられている。が、いまだに社内体制は改められることはなく、アルバイトを「個人事業主」
扱いすることも譲っていない。
■すき家の防犯体制はウェルカムサイン?
「そりゃ、会社のブラックぶりより強盗のほうが怖いっすよ。俺、いずれ作家になりたいから
深夜業務を受ける。けど、これが超ヤバいんす」
Eさんによると、深夜営業は一人で店を管理することになっている。これは経営側がコストカットの
一環で決めた体制だという。夜中でも混みあう場所だと注文取りと調理で目が回るらしいが、
Eさんは「そっちのほうがましですよ」と笑う。なぜなら、人が少ないと強盗が来るんじゃないかと
緊張すること半端ないのだという。彼は2010年にバイトを始めた。
「8日目にやられたんです。いきなり目出し帽かぶったジャージのデカいのが来て『金出せ』って
スタンガンと登山ナイフ持って。そりゃもうカネ出しますよ。で、警察では慰められたけど、店長には
給料から幾らか、罰だって言われて引かれちゃった。正式なのか知りませんよ、その店長すぐにクビで、
新しいのが来たから。その人にも俺は嫌われてたなあ、疫病神だって」
Eさんはその年にもう一回、別の店で強盗に出会っているという。その際は金は奪われなかったが
強盗の一味と疑われたと嘆く。
「会社は防犯する気なしだし。殺されても補償はしないのかなあ、やっぱり嫌だな」
過去のデータを見ると2010年、すき家の強盗被害は57件。その年の飲食店強盗数121件のうち、
約半数を占め、2011年は63件で総数の9割になる。問題の深夜一人体制は昨年3月に一度
改められたが、Eさんの言うように現在は元に戻っている。
「経営と防犯の天秤で、防犯(にカネかけるの)は要らないってことでしょう。カラーボールや
入り口に犯人の背丈の目安を貼ってます。これじゃウェルカムな感じ」
ゼンショーグループと対決している元社員のAさんは語る。売上とスタッフの安全で高くつくのは
どっちか。
「労働基準に関してはお答えできない。警備は万全です」(ゼンショー広報)とは言ってるが。

<写真>すき家で行われた防犯訓練。強盗もあきれる?(2012年、岐阜)