日本政府観光局の調べによると、昨年日本を訪れた中国人観光客は史上最高の143万人。
尖閣問題の影響で秋以降、観光客が激減したにも関わらず、前年比37・1%増を記録した。
外国人観光客全体における中国人の割合も約17%と韓国、台湾に次ぐ3位だが、この伸び率が
続けば、日本の観光業にとって「最大のお得意さん」が中国人になる日は目前に迫っていることになる。
しかし、日本人はこれまで、あまりにも中国人を知らなかった。「あんな行儀の悪い連中、本当に
日本に入れていいのかいな――」これは、2年間にわたり中国人ツアー客と行動をともにした、
観光バス運転手、島田源五郎さん(58)の「独白」である。
■どんなに言ってもいうことを聞かない
最初に中国人を乗せたとき、いまでも覚えてるのはなんと言ってもマナーのひどさよ。東名高速の
インターチェンジで休憩中、客が外に出た後、車内を見たら、床には豆の皮やらリンゴの芯だらけ。
どうも中国から生リンゴ持ってきたみたいで、それが向こうでは普通の感覚なんだな。車内は禁煙だが、
ひじ掛けには一応灰皿がついてるんだよ。何となくイヤな予感がして、ちょっと開けてみたら、ガムやら
鼻をかんだ紙やらがもうギッシリ詰め込んである。
オレはさすがにバスガイドに通訳を頼んだよ。
「ゴミは備え付けのビニール袋に入れてください。後で回収しますと説明してやってくれ」
ガイドは中国語で説明してくれたけど、客はまったく聞いてない。夜ホテルに着いた後に点検しても、
ゴミをビニールに入れている奴は誰もいなかったな。ちなみにこのバスガイドっていうのは、ほとんどが
日本で暮らしてる中国人女性だ。日本語はペラペラなんだが、こっちで日本人と結婚しているのが
多い。実はこのバスガイド女が曲者で、ワールイ奴が多いのよ。それは後で話すけどな。
それまでオレは、日本に観光でやってくる中国人ってのは日本人以上のカネ持ちというイメージを
持っていた。実際、先輩ドライバーからは、「花見の時期にやってくる中国人は、カネの使い方が
半端じゃない」と聞いたりもしていたんだが、それは間違いだったな。なんでも観光VISAの発給基準が
緩和されて、向こうで年収200万円くらいあれば観光目的の入国は可能らしい。あんまり年収が低い
中国人を入国させちゃうと、すぐツアー途中でどっかに消えちゃうらしくて、いまでもそれはあるんだよ。
オレも2回か3回、2人ぐらい客がいなくなったことがあったが、ガイドの女が「探さなくていい。私が
責任取るから大丈夫」と言うんで、そのままにしたことがあった。多分、いまごろ日本のどこかで
しっかり働いてるんじゃないか。
話は脱線したが、オレが見た限り、中国人観光客が日本人以上に金持ちってことはあんまりない。
宿泊するホテルも、だいたい5000円から6000円くらいのところが多かったし、中国人はまず
自販機でコーヒーや茶を買うなんてもったいないことをしねえから。どうするかっていうと、ジャムの
瓶に茶の葉っぱを入れたものを持ち歩いてて、高速のサービスエリアで湯を補給するのよ。これを
あんまり大勢の中国人がやるもんだから、豊橋あたりのサービスエリアでは給湯器に行列ができ、
中国人の「お湯入れ」が禁止になったところもあると聞いたよ。
昼メシにしても、安いところは大体好まれる。いつだったか、下道の国道走ってるときにガイドが
「あの牛丼屋に行きたいので止めてください」って言うもんだから「すき家」にバスを止め、20人全員が
牛丼屋に入ったときが1回だけあった。あれは本当にイヤだったなあ。高速を走ってても、とにかく
「遅い、飛ばせ」って文句を言う。速けりゃ速いほどいいってのが奴らの考えさ。
■ひと月で200万円稼ぐ中国人ガイドも
秋葉原とかに、中国人観光客御用達の土産物屋がオレの知る限り4軒はあるんだけど、実はここの
店の経営者はみんな中国人か台湾人なのよ。従業員は日本人だけど。そこで、日本の民芸品や
健康食品が高い値段で売られてるんだ。干しナマコとか、日本人はあまり食わないから仕入れ値は
タダみたいなものなのに、それが5万円とかで売られていて、中国人観光客は「美味」「体にいい」と
信じ込まされて買ってるんだよね。中国人は日本人以上に健康食品に弱いから。
要するに、中国人が中国人を騙してるってことよ。実はこのボッタクリにはバスガイドが絡んでいて、
ほとんどのバスガイド女は土産物屋と結託してる。何せ、土産物屋にツアーバスを誘導するだけで
バックマージンが3万、5万と入るってわけで、オレは実際、全盛期に毎月200万円を荒稼ぎしていた
という30歳くらいの中国人バスガイドを見たことがある。
このガイドの話によれば、客のなかにはごくまれに本当の中国人富豪もいて、庭に植えるための
樹齢100年もするような松の木を、何百万円も出して買っていったそうだ。これはもちろん飛行機じゃ
運べないから、特別な海コン(海上コンテナ)に入れて横浜から舟で運ぶんだが、運賃だけで
100万以上かかる。そんな客の取引を成立させれば、手数料収入も何十万というカネになるという。
いま、尖閣問題を一番恨めしく思ってるのは間違いなく、バスガイド女だろうな。
<年収200万円あれば日本観光VISAを取得できるという>
尖閣問題の影響で秋以降、観光客が激減したにも関わらず、前年比37・1%増を記録した。
外国人観光客全体における中国人の割合も約17%と韓国、台湾に次ぐ3位だが、この伸び率が
続けば、日本の観光業にとって「最大のお得意さん」が中国人になる日は目前に迫っていることになる。
しかし、日本人はこれまで、あまりにも中国人を知らなかった。「あんな行儀の悪い連中、本当に
日本に入れていいのかいな――」これは、2年間にわたり中国人ツアー客と行動をともにした、
観光バス運転手、島田源五郎さん(58)の「独白」である。
■どんなに言ってもいうことを聞かない
最初に中国人を乗せたとき、いまでも覚えてるのはなんと言ってもマナーのひどさよ。東名高速の
インターチェンジで休憩中、客が外に出た後、車内を見たら、床には豆の皮やらリンゴの芯だらけ。
どうも中国から生リンゴ持ってきたみたいで、それが向こうでは普通の感覚なんだな。車内は禁煙だが、
ひじ掛けには一応灰皿がついてるんだよ。何となくイヤな予感がして、ちょっと開けてみたら、ガムやら
鼻をかんだ紙やらがもうギッシリ詰め込んである。
オレはさすがにバスガイドに通訳を頼んだよ。
「ゴミは備え付けのビニール袋に入れてください。後で回収しますと説明してやってくれ」
ガイドは中国語で説明してくれたけど、客はまったく聞いてない。夜ホテルに着いた後に点検しても、
ゴミをビニールに入れている奴は誰もいなかったな。ちなみにこのバスガイドっていうのは、ほとんどが
日本で暮らしてる中国人女性だ。日本語はペラペラなんだが、こっちで日本人と結婚しているのが
多い。実はこのバスガイド女が曲者で、ワールイ奴が多いのよ。それは後で話すけどな。
それまでオレは、日本に観光でやってくる中国人ってのは日本人以上のカネ持ちというイメージを
持っていた。実際、先輩ドライバーからは、「花見の時期にやってくる中国人は、カネの使い方が
半端じゃない」と聞いたりもしていたんだが、それは間違いだったな。なんでも観光VISAの発給基準が
緩和されて、向こうで年収200万円くらいあれば観光目的の入国は可能らしい。あんまり年収が低い
中国人を入国させちゃうと、すぐツアー途中でどっかに消えちゃうらしくて、いまでもそれはあるんだよ。
オレも2回か3回、2人ぐらい客がいなくなったことがあったが、ガイドの女が「探さなくていい。私が
責任取るから大丈夫」と言うんで、そのままにしたことがあった。多分、いまごろ日本のどこかで
しっかり働いてるんじゃないか。
話は脱線したが、オレが見た限り、中国人観光客が日本人以上に金持ちってことはあんまりない。
宿泊するホテルも、だいたい5000円から6000円くらいのところが多かったし、中国人はまず
自販機でコーヒーや茶を買うなんてもったいないことをしねえから。どうするかっていうと、ジャムの
瓶に茶の葉っぱを入れたものを持ち歩いてて、高速のサービスエリアで湯を補給するのよ。これを
あんまり大勢の中国人がやるもんだから、豊橋あたりのサービスエリアでは給湯器に行列ができ、
中国人の「お湯入れ」が禁止になったところもあると聞いたよ。
昼メシにしても、安いところは大体好まれる。いつだったか、下道の国道走ってるときにガイドが
「あの牛丼屋に行きたいので止めてください」って言うもんだから「すき家」にバスを止め、20人全員が
牛丼屋に入ったときが1回だけあった。あれは本当にイヤだったなあ。高速を走ってても、とにかく
「遅い、飛ばせ」って文句を言う。速けりゃ速いほどいいってのが奴らの考えさ。
■ひと月で200万円稼ぐ中国人ガイドも
秋葉原とかに、中国人観光客御用達の土産物屋がオレの知る限り4軒はあるんだけど、実はここの
店の経営者はみんな中国人か台湾人なのよ。従業員は日本人だけど。そこで、日本の民芸品や
健康食品が高い値段で売られてるんだ。干しナマコとか、日本人はあまり食わないから仕入れ値は
タダみたいなものなのに、それが5万円とかで売られていて、中国人観光客は「美味」「体にいい」と
信じ込まされて買ってるんだよね。中国人は日本人以上に健康食品に弱いから。
要するに、中国人が中国人を騙してるってことよ。実はこのボッタクリにはバスガイドが絡んでいて、
ほとんどのバスガイド女は土産物屋と結託してる。何せ、土産物屋にツアーバスを誘導するだけで
バックマージンが3万、5万と入るってわけで、オレは実際、全盛期に毎月200万円を荒稼ぎしていた
という30歳くらいの中国人バスガイドを見たことがある。
このガイドの話によれば、客のなかにはごくまれに本当の中国人富豪もいて、庭に植えるための
樹齢100年もするような松の木を、何百万円も出して買っていったそうだ。これはもちろん飛行機じゃ
運べないから、特別な海コン(海上コンテナ)に入れて横浜から舟で運ぶんだが、運賃だけで
100万以上かかる。そんな客の取引を成立させれば、手数料収入も何十万というカネになるという。
いま、尖閣問題を一番恨めしく思ってるのは間違いなく、バスガイド女だろうな。
<年収200万円あれば日本観光VISAを取得できるという>