中国の高速道路の総延長は、2011年末現在、約8万5000kmで、アメリカに次ぐ世界第2位。
ただし、20年までに10万kmを開通させるための工事が計画どおり進んでおり、世界一は既定路線だ。
広い国土の小都市(県庁所在地のような街)をつなぐのだから、当然、その距離も長くなって当たり前。
問題は完成までのスピードだ。

 中国の地方都市で農業指導を行った経験のある吉行豪太氏によれば、「道路計画が決定した途端、
工事に取りかかる感じです。地質調査とか土地の強度とか、そういう調査をいつ行ったのか、町の人に
聞いても覚えがないようでした」もちろん計画段階できちんと調査を行っているはず。だが、大事故が
起こっているのもまた事実だ。

 中国情報を伝える大紀元日本は今年の7月に「試験開通中に路面崩落 2人死亡」というニュースを
配信した。事故があったのは雲南省緑春県内の2級道路で、4月27日に完成したばかり。道路は
試験開通後まもなく、数カ所の路面が崩落したため、一時利用禁止となっていた。6月30日に補修工事
が終了し、再開。その直後の7月2日に路面の半分が突然崩落し、走行中のマイクロバスが崖へ転落。
死者2人をだしたという。

 この事故に対して、緑春県では「この時期は雨が多く崖崩れが頻発する。今回の事故もこういった
地質災害によるもので、正常な事故」というから、あきれる。「国は安全を置き去りにしてもいいと
思ってはいません。ただ、なによりもさきに世界一になることが大前提で、中央の目が届かないところに
なると、『計画よりも早く作り上げること』に地方役人が血道を上げることになり、突貫工事で安全が
おろそかになっているんです」(吉行氏)沿岸部など大都市部周辺の道路は目が行き届いているので
安心。ただし、沿岸部から離れるときは、注意が必要なのである。

中国事故

<写真>運転マナーの悪さから事故も多い

取材・文/BTMJ  写真/共同通信