数々の文学、小説のモチーフとなった「逃亡者」たちの隠された生活。戦後犯罪史を彩った
彼らの半生と、どんな小説家さえも思いつかなかった、その意外な「潜伏生活」に迫る!
■男女逃避行系
長期逃亡を単独で実現させることは難しい。共犯の男女が協力して、あるいは過去を隠した人間が
パートナーを見つけ、社会のなかにひっそりと暮らしているというケースは枚挙に暇がない。
今年元日に警視庁に出頭したオウム真理教元信者、平田信(47)。約16年間に及んだ逃亡のほぼ
全期間を同じく元信者だった斎藤明美(49)とともに暮らしていた。「吉川祥子」と名乗っていた斎藤は、
大阪府内の接骨院に採用され受付を担当。この接骨院が借り上げていたアパートに平田を匿う形で、
約10年以上、その潜伏生活を支えたのである。
平田は一切外出することはなく、昼に斎藤が近所の弁当屋で390円の「唐コロ弁当」と290円の
「ノリ弁当」を購入するのが日課。ゴミからアシがつかぬよう、決して割り箸を使わぬようにするなど、
その警戒心は極めて強かった。今年1月、自ら警視庁に出頭した平田の動機はいまだに解明されて
いない。
同じくオウムの菊地直子(40)、高橋克也(54)も長く同棲生活を送った。菊地の場合は、当初、
信者の林泰男(54・現死刑囚)と行動をともにしながら、林が別の女性信者と逃げると高橋克也と
「夫婦」を装い神奈川県下に潜伏。
その後、バイト先で知り合った内装業の高橋寛人(41)と知り合うと、今度は寛人と同棲。
寛人の求婚に、大胆にも「私はオウムの菊地だから結婚できません」と告白するなど、最後は男に
運命を預けた形だった。なお、菊地の逮捕はこの高橋寛人の兄の情報提供がきっかけである。

<写真>菊地直子と高橋克也は「櫻井」姓の夫婦を演じていた
1997年に起きた山口組ナンバー2、宅見勝若頭射殺事件の実行犯の1人、中保喜代春(62)。
中保は懲役20年の判決を受け服役中だが、13カ月の逃亡生活中に知り合ったクラブの女性と
全国各地を転々と移動。最後は何と女性が妊娠し、子どもができたために逃げ切れなくなって
逮捕されるという珍しい経緯を辿っている。
また、1995年に茨城県で逮捕された岡下香(元死刑囚・享年61)・秋永純子(53)の場合は、
杉並区の資産家老女と共犯者1人を殺害し指名手配されながら、堂々とスナックマスターおよび
その妻として5年以上も生活していた。
岡下の経営していたスナックは茨城県警の御用達だったというからまさに「灯台もと暗し」である。
だが、油断した岡下はテレクラで知り合った女に覚醒剤を打ったことで警察にタレ込まれ、潜伏が
発覚した。従犯の秋永は懲役5年であったが、岡下には死刑判決。2008年に死刑が執行された。
取材・文/本誌編集部
彼らの半生と、どんな小説家さえも思いつかなかった、その意外な「潜伏生活」に迫る!
■男女逃避行系
長期逃亡を単独で実現させることは難しい。共犯の男女が協力して、あるいは過去を隠した人間が
パートナーを見つけ、社会のなかにひっそりと暮らしているというケースは枚挙に暇がない。
今年元日に警視庁に出頭したオウム真理教元信者、平田信(47)。約16年間に及んだ逃亡のほぼ
全期間を同じく元信者だった斎藤明美(49)とともに暮らしていた。「吉川祥子」と名乗っていた斎藤は、
大阪府内の接骨院に採用され受付を担当。この接骨院が借り上げていたアパートに平田を匿う形で、
約10年以上、その潜伏生活を支えたのである。
平田は一切外出することはなく、昼に斎藤が近所の弁当屋で390円の「唐コロ弁当」と290円の
「ノリ弁当」を購入するのが日課。ゴミからアシがつかぬよう、決して割り箸を使わぬようにするなど、
その警戒心は極めて強かった。今年1月、自ら警視庁に出頭した平田の動機はいまだに解明されて
いない。
同じくオウムの菊地直子(40)、高橋克也(54)も長く同棲生活を送った。菊地の場合は、当初、
信者の林泰男(54・現死刑囚)と行動をともにしながら、林が別の女性信者と逃げると高橋克也と
「夫婦」を装い神奈川県下に潜伏。
その後、バイト先で知り合った内装業の高橋寛人(41)と知り合うと、今度は寛人と同棲。
寛人の求婚に、大胆にも「私はオウムの菊地だから結婚できません」と告白するなど、最後は男に
運命を預けた形だった。なお、菊地の逮捕はこの高橋寛人の兄の情報提供がきっかけである。

<写真>菊地直子と高橋克也は「櫻井」姓の夫婦を演じていた
1997年に起きた山口組ナンバー2、宅見勝若頭射殺事件の実行犯の1人、中保喜代春(62)。
中保は懲役20年の判決を受け服役中だが、13カ月の逃亡生活中に知り合ったクラブの女性と
全国各地を転々と移動。最後は何と女性が妊娠し、子どもができたために逃げ切れなくなって
逮捕されるという珍しい経緯を辿っている。
また、1995年に茨城県で逮捕された岡下香(元死刑囚・享年61)・秋永純子(53)の場合は、
杉並区の資産家老女と共犯者1人を殺害し指名手配されながら、堂々とスナックマスターおよび
その妻として5年以上も生活していた。
岡下の経営していたスナックは茨城県警の御用達だったというからまさに「灯台もと暗し」である。
だが、油断した岡下はテレクラで知り合った女に覚醒剤を打ったことで警察にタレ込まれ、潜伏が
発覚した。従犯の秋永は懲役5年であったが、岡下には死刑判決。2008年に死刑が執行された。
取材・文/本誌編集部

